手術と禁忌の絶対領域

命に触れるという“禁忌”に向き合う医師たちの物語🩺🧠

『手術と禁忌の絶対領域』は、救急医レミ・コストと天才外科医リアム・ロアンの邂逅を軸に展開される、全9話完結の医療短編ドラマです📖✨

手術室という“絶対領域”を舞台に、命を扱う者たちの葛藤、過去、そして再生が描かれます🕊️🐍

――人間の尊厳と再生の可能性💉🕯️

静謐で美しい手術室の中で交差する記憶と祈りを、ぜひ感じてください⚕️🩸

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（211文字）

本編は◆Ave Maria ◆のスピンオフ作品です。
ですが、こちらの作品単独でも読めます。

医療従事者の方が書かれていますので
手術室の静謐さ、手術の緊張感がよりリアルに
伝わってきます。
その合間に挟まれるコミカルさと、文章の
読みやすさでするすると世界観に入っていけ
ます。

救い、救われる関係の、レミ先生とリアム先生の
関係性もとても良いです。本編よりもレミ先生の
お人柄も知ることができました……！

スピンオフ作品ですが医療ドラマとして成り立っているため、本編未読の方にもおすすめできます！！

全ての作品を読み終えてしまい、寂しい気持ちです。また新作に出会えるのを楽しみにしており…続きを読む

当然の話なのですが、人は死んだら生き返りはしません。
その事実を厳然と、しかし何処かほんの少しだけ優しく教えてくれる作品です。
命の重さを感じられるシーンの圧倒的なリアリティ。
ぜひ、全話お読みになられる事をお勧めします！

読了したので書きます。

他の方々が書かれているようリアリティが特に凄い。文章ではなく、画として手術をしているシーンが伝わってきました。
薬品の匂い、手術室特有の静謐さが頭の中ですんなりイメージ出来るのは相当に練っていることが伺えます！

また、もう1つの軸となる「アスクレピオス」の下りも素晴らしかったです。
ネタバレになるので詳細は省きますが、紹介にも書いた通りに彼の医神のシンボルである「蛇」を彷彿とさせる綺麗な物語との絡みも要注目です！

長編の『Ave Maria』も楽しみです！！

本編『Ave Maria』のプチコメディ路線サイドストーリーかと思いきや（勝手にw）…！
　Σ（´・∞・｀　）なんとっ

本編をまだ読んでいない方が楽しめ、なおかつ、本編が気になってしまう仕掛けは、さすが…！（｀・∞・´　　）

ボクは、「本編から本作」組ですが、本編を読んだ方には是非読んで頂きたいです
＼（´・∞・｀　）損はさせないぜ？

　人が人を救おうとするその瞬間、世界の輪郭がそっと変わることがあります。『手術と禁忌の絶対領域』は、そんな“誰かの命に触れること”の深奥を描いた、まるで静かに脈打つ詩のような物語です。
　
　技術と使命、そして過去に秘めた想い。そのすべてがひとつの命題に収束する過程は、読み手の心にも優しく問いを投げかけてくれます。「生とは何か」「救うとは何か」。それは医療という領域を超えて、私たちの存在の在り方にまで及ぶ問いかけです。

　へびつかい座のアスクレピオス——神話の象徴として描かれるこの名は、登場人物たちの内面とも静かに重なります。人を超える力ではなく、人を想う力。その儚くも強い光に、深く胸を打…続きを読む

描写力がすごくで手術室の緊張感を描きながら、その裏にある「救いたい」という衝動と、「救われた」という過去の真実が静かに交差していく。

リアム・ロアンという存在は、単なる天才医師ではなく、人間性の再生と、“禁忌”に触れた者の孤独と祈りを体現した、現代のアスクレピオス。

医療と人間、その境界線にある“絶対領域”とは何か。ラストまで丁寧に描かれた感情と余白が、心に深く残る物語。

手術ともなれば予定時間は10時間に及ぶものもある。そして、勿論、不測の事態も日常茶飯事だ。そこは常に生死が隣り合う世界。肉体的にも、そして、精神的にも苛烈の一言しか思い浮かばない。

執刀医の主人公には、是とする「絶対領域」がある。

本作を読んで、突き詰めていくと、医術とは畢竟、哲学に通ずる世界だということに気づかされる。

厳しき世界。頭が下がる想いである。

命を救われた記憶を持ちながら、誰に救われたのかを思い出せない救急医・レミ。
普通の医師として生きる彼の前に現れたのは、誰もが目を奪われる若き天才医師、リアム・ロアンだった。

圧倒的な技術、神話を思わせる佇まい。
けれど、完璧すぎる彼の微笑みの裏にあるのは、誰にも触れさせない孤独だった。

過去を失ったまま進むしかなかったレミは、リアムとの出会いによって、
心の奥に封じられた「あの日」の声を、再び思い出しかけていく。

閉ざされた手術室。
流れる静かな時間の中で、交わる二つの運命。

消えた記憶を辿り、未来へと繋ぐ、静かで熱い再生の物語。