ありがとう、ごめんね

「ありがとう、ごめんね」——
伝えたかった言葉は、もう君には届かない。

ベッドの上で軽やかに跳び回り、滑車を回し、砂浴びに夢中だった君。
君がいることが当たり前だった日々は、いつまでも続くと思っていた。

でも、ある日、君の体調が少しずつ変わり始めた。
病院に駆け込み、言われた通りの看病を続けた。
薬を飲ませ、温め、何度も夜を乗り越えた。

それでも——その朝、君の体は静かに揺れ始めた。
シリンジを口元に押し当てても、もう薬は飲めなかった。
腕の中で最後に鳴いた君の声が、今でも耳から離れない。

君は、幸せだった？
救えなかった俺を、どう思っていた？

喪失感と後悔、そしてかけがえのない日々を綴る。
君と過ごした時間の記憶を、そっと抱きしめながら。

——これは、君へ贈る最後の手紙。