第3話 病院へ
数日後、明らかに君の様子が変わっていた。
じっとしたまま、ほとんど動かない。
抱き上げると、お腹が膨らんでいる。
いつもならケージの外に出ることを嫌がる君が、何の抵抗もせずにキャリーの中に収まった。
それが、余計に不安だった。
病院で診察を受けた。
「消化管鬱滞ですね」
獣医はそう言った。
「強制給餌をしてください」
そう言われ、薬と流動食を渡された。
どうにかして、食べさせなければいけない。
疲れ果てて帰宅し、それでも君の世話を優先した。
シリンジに流動食を入れ、少しずつ口に入れていく。
「ほら、飲んでくれ」
最初はゆっくりと飲んでくれた。
けれど、時間が経つにつれて、口を開けなくなった。
焦るほどに、どうすればいいのか分からなくなる。
夜通し看病した。
何度も夜を乗り越え、君は持ち直したことがあった。
「大丈夫だな、よかった」
そう思っていた。
でも、ある朝、違和感が胸を刺した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます