心の原風景を呼び起こされ、読む人はすぐに里の住人になれます

 内容については、他のレビュアー様が分かりやすく書かれているので、そちらを。

 まだ読んでいる途中ですが、オススメしたい層は、夏目友人帳とか、あの辺りの作風が好きな人ですかね。もちろん、それ以外の人にこそ、一度読んでほしいですけど!

 春の七草をなぞらえた神々と人々。かつての日本の里山の風景が描かれ、毎話毎話、良い意味でゆったりと時が進みます。イベントはもちろん起こるのですが、緩急踏まえた、ちゃんと心地いいテンポで進む辺りに、高度な構成テクニックを感じます!

 七草に着目されるような、ユニークで繊細なセンスの持ち主の作者様。やはりそれは、作品の中で随所に見られます。
 生き生きした、キャラクターたちの会話のみならず、一枚岩ではない里の住人たちの関係性。しかしそれは、真っ向からの対立というよりは、草花のような共生が感じられ、憎めず愛らしく描かれているように思えます。それらが、主人公ナズナの成長さえ支えているんですよね。

 読み進めるというより、彼らを見守り、愛でていくような気持になれる。そんな素晴らしい作品です。ぜひ、読んでみてほしいです!

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