残酷にして壮麗、極上のディストピア革命譚

第2章まで読了。

「いくら丼?」という軽やかな題に「はらぺこ少女と美人教師」で始まる気の抜けたキャッチ。
ほのぼのお料理教室と油断して手に取ったが運の尽き。

誰がこのハード展開を予想できるでしょう?
1話目を読み終えた時点で、完全に放心させられました。

まず「フードプリンタ」を始めとするテクノロジー描写が、自然かつ鮮やかに作品テーマを浮かび上がらせる。
そして「食べる」が「生きる」「選ぶ」へと接続し、個の小さな行為が社会の根幹を揺るがす物語へスケールする。

それがテンポとメリハリのある文体で描かれて、緻密にエスカレートしていきます。
その構造が見事過ぎて、筆者の深い洞察と筆力に唸りと鳥肌が止まりません。

読むたびに、いくら丼の味が大いに変わること請け合いな本作。

ぜひ、腰を据えてガツンと召し上がってみてください!

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