あなたの後ろに…

みゅうた

 深夜の殺人事件

この話は僕が武者修行の為に国を離れた時に起こった事件だ


この話を父に聞いた時には恐ろしくて震えが止まらなかった事を今だに忘れる事が出来ない





ある日…早朝の城に一報が入った


城下町の路地裏で若い女性の変死体が発見されたのだ


その変死体は腹部が切り裂かれて内臓が取り出されていたのだ


調べに来た王宮騎士は辺り一面に漂う血の匂いでむせ返りそうになる


通り魔にしても怨恨にしてもあまりにも酷い仕打ちだ


手分けをして町の人達に話を聞く事にした


どうやら近くの住民が複数人、昨日の深夜に若い女性の叫び声を聞いたらしい


被害者は町でも評判の野菜屋の看板娘でかなりの美人だ


更に聞き込みを進めてストーカーがいなかったか、トラブルを抱えて無かったか調べた


しかしストーカーは居たもののその男にはアリバイがあり、彼女自身に他にトラブルなどは無かったらしい


事件は壁にぶち当たった


通り魔の線が強くなった事で王宮騎士団から若い女性に夜の独り歩きを控えるように城下町に通達が出た


しかし…1ヶ月後


「2人目の被害者か…」


再び通り魔事件が発生した


次の被害者はうら若きシスターだった


彼女も町の人達から評判の美人で密かにファンが多かった


「まさか聖職者にまで被害者が出るとは…やり方も前と同様か…」


シスターも腹部が切り裂かれて内臓が取り出されていた


無惨な姿になったシスターを悼んで嘆きの声が上がった


調べを進めていくと被害に遭う前日に彼女の元に懺悔をしに来た人物が複数いた


王宮騎士団は手分けをして懺悔しに来た者達を事情聴取するのだった


しかしその中に特別に怪しい人物は居なかった


ただ1人を除いては…



その人物を再び事情聴取しようとした最中…再び若い女性が夜中に襲われた


「そこまでだ!彼女を離すんだ!」


犯人らしき人物は城の忍びによってマークされていたのだ


捕まえられた犯人は意外な人物だった


それは…姉が亡くなった時に僕達の側に居た王宮騎士の一人だったのだ


僕の姉は行方不明になりその後、魔物の巣で強姦されて孕った挙句…腹部を中から破られて絶命したのだ


彼はその時の光景が目に焼き付いていて、忘れられなくなっていた


そして心の中に潜んでいた魔物ではなくて人を自分の手で殺してみたいという欲望が抑えられなくなったらしい


まさか…姉の死がキッカケで殺人事件を起こすなんて


その後、彼は牢に入れられて裁判にかけられた


判決は死刑が宣告された



しかし死刑が執行される直前に牢から姿を消した


そして今だに彼の行方は判明していない



不気味な殺人犯は何処に行ったのだろうか…


もしかしたらあなたのすぐ近くに潜んでいるかも知れない…


ほら…後ろを振り向けばそこに…










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