人の営みの中で大切にしたいものは何? 心のこもった料理と言葉が胸を刺す
- ★★★ Excellent!!!
50歳を過ぎて人生の帰路に立たされた主人公の男。
ある人の心のこもった料理と言葉や生き様に触れる事で、安定した未来を取るか、溢れてきた感情に従うかの葛藤に迫られる。
男はどの道を選ぶのか?
こんなふうに書くとありふれた物語を想像してしまうかもしれないけれどとんでもない。
舞台設定、登場人物の発する言葉やその描写、周りの風景など、ひとつひとつが丁寧に練り込まれていて心が震える。
そしてこの作品に出てくる料理が人の営みと溶け合って、より一層の旨みを増している。
人間らしい善や悪。過去の傷や胸に痛みを抱えながらも、素の自分に立ち返り、営みを続ける尊さを教えてくれるような素敵な作品です。