ディストピアを撃ち抜く、少年とアンドロイドの物語

少年ユウキと「殺戮の天使」ことアンドロイド少女リベルの出会いから始まる本作は、AIによる管理社会の中で自由を求めてもがく若者たちの物語です。

冒頭のリベルの狂気的な強さと美しさにまず圧倒され、次第に彼女が見せる人間らしさに心を奪われました。
特に、日常回帰のように見えて実は監視と制限だらけのユウキの生活描写がリアルで、現代社会の皮肉を感じます。

アクションシーンはまるで映像作品のように緻密でスピーディ。
一方、親友ケンタとの絆や別れの場面では胸が熱くなり、静と動のバランスが絶妙です。

かわいいAI兵器に世界が壊される……だけでは終わらない、知性と感情がせめぎあう青春SFの良作です。

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