リンスインシャンプーは、もう卒業です!

シャンプーとコンディショナーを間違えて混ぜてしまった、という日常の失敗をきっかけに、恋と日本史が思わぬ形でつながっていくお話です。

ものすごく身近で軽い出来事を入口にして、恋や気持ちの変化、さらに意外な方向へと広がっていく構成が本当にすごいです。

最初は日常コメディとして気軽に読めるのに、主人公の考え方や迷いが細かく描かれているので、「あ、こういう気持ちになるよね」と一緒に考えながら読めました。
思春期の恋……恥ずかしさとか、踏み出せなさとかがちゃんと伝わってきます。

途中の展開も「そう来るのか」と驚かされつつ、読み終わって振り返ると、最初の出来事からちゃんと一本につながっているのがすごいんですよね。
軽い導入からここまで連れていかれる構成力は素直にすごいと思います。

読後、少しだけ自分も勇気を出してみようかな、と思わせてくれる作品です。

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