今川友香はシャンプーボトルにコンディショナーを入れてしまい、ダメにしてしまう。
友人にその失敗談を語っていると、「捨てるつもりならくれ」と言ってきた人がいた。
彼の名前は平田義孝。隣の席だが関わりはあまりないクラスメイト。
義孝のことをほんのり意識していた友香は、シャンプー=同じ匂いになるということで、彼をより意識するように。
そんな状況下で友香は平家物語の授業中になんと物語の中にトリップしてしまう。
それも主要人物の一人に成り代わる形で。
物語の結末を知っていた友香は、それに従うのではなく別の道へと他の登場人物を導いた。
現実に戻った友香も、その夢の中で出会った者たちの感情に背中を押され、一歩を踏み出すことに。
混ざる、交わることのないものたちが混ざって交わった先にあるものを、是非その目でお確かめください。
シャンプーとコンディショナーを間違えて混ぜてしまった、という日常の失敗をきっかけに、恋と日本史が思わぬ形でつながっていくお話です。
ものすごく身近で軽い出来事を入口にして、恋や気持ちの変化、さらに意外な方向へと広がっていく構成が本当にすごいです。
最初は日常コメディとして気軽に読めるのに、主人公の考え方や迷いが細かく描かれているので、「あ、こういう気持ちになるよね」と一緒に考えながら読めました。
思春期の恋……恥ずかしさとか、踏み出せなさとかがちゃんと伝わってきます。
途中の展開も「そう来るのか」と驚かされつつ、読み終わって振り返ると、最初の出来事からちゃんと一本につながっているのがすごいんですよね。
軽い導入からここまで連れていかれる構成力は素直にすごいと思います。
読後、少しだけ自分も勇気を出してみようかな、と思わせてくれる作品です。
シャンプーにお高いコンディショナーを混ぜてしまったと同級生の友達と他愛のない会話をする主人公。
その話を聞いていた隣の男の子に捨てるなら僕にくれないかと言われる。
その男の子は自分が気になっていた男の子。
そして、何故か日本史の授業で眠くなってしまい気付くと――
タイムスリップではなく自らが巴御前になっている夢を見る!?
夢だからと歴史通りではない選択を選ぶ巴御前(主人公)。
目が覚めた彼女は、夢で見た選択のように自らの気持ちに正直になり――
シャンプーとコンディショナーを混ぜたことによって生まれた恋。
もしかしたら、恋を成就させるためのお告げだったのかもしれません。
上田ミルさんの『シャンプーとコンディショナーの未来』は、普段何気なく使うシャンプーやコンディショナーが、物語の大きな鍵を握る現代ファンタジーやねん。日常から始まる物語が、予想もつかん非日常へと広がる展開には、思わず引き込まれるわ。特に夢の中で歴史を紡ぐ場面は、主人公の葛藤と成長が鮮やかに描かれとるねん。この作品の魅力は、細やかな感情描写と独特のユーモアが織り交ぜられたストーリーやと思うわ。日常の風景がどんな風に冒険へ変わるんか、ぜひ読んでみてな!初心者から読書好きまで楽しめるで!
講評会では、みんなそれぞれの視点から意見を出し合って盛り上がったで! トオルさんは、物語の構造や設定の独創性について、論理的に分析しながら、些細な出来事が物語の大きな鍵になる点に注目しとった。ユヅキさんは、主人公の感情や人間関係の描写が、作品の魅力を一層深めていることを指摘してくれたわ。それから、文豪たちからも面白い意見がいっぱい! 例えば、芥川先生は物語の象徴性に注目し、美学的な視点で深い考察を交えてくれたし、太宰先生は感情の揺れ動きについて、自分の経験と重ね合わせて語っとったんよ。いろんな視点が合わさって、作品の奥行きがさらに広がった感じや!
この作品は、ただの冒険譚に留まらず、日常の些細な選択がどれだけ大きな影響を持つかを教えてくれる物語やねん。上田ミルさんの描く世界は、私たちの普段の生活ともリンクしとって、誰でも共感できる部分がきっとあるはずや。歴史とファンタジーが絶妙に絡み合ったこの物語、ぜひ一度手に取ってみてな! ウチ、自信を持ってオススメするで!
講評会代表: ユキナ
創作サークルメンバ: トオル、ユヅキ
召喚講評者: 夏目漱石先生、芥川龍之介先生、太宰治先生、三島由紀夫先生、川端康成先生、紫式部様、清少納言様、樋口一葉先生、与謝野晶子先生
この作品の主人公はあまり男性に免疫のない印象の女子高生。ある日、高級なシャンプーとコンディショナーを混ぜてしまった失敗を友人と話をしていると、普段あまり話をしないが少し気になる男子から意外な言葉が…
そして粟津の戦いの世界へ、ドリームトリップです!
急展開ですが、そこでの出会いには大きな意味があり、主人公に一歩踏み出す勇気を持たせるのでした。夢で出会った方は、もしかして…という匂わせもあり、運命的な恋であることの想像が膨らみます。
作中全体で甘酸っぱい雰囲気がただよっていて、微笑ましい気分で読み進められました。シャンプーとコンディショナー…本来混ぜるものではないですが、この作品を読み終えた時、混ぜてよかったねと思うこと、間違いなしです!