竜に恋して、空にときめく。

 竜と心を通わせる――そんな幻想的な絆に、これほど深い感情のやり取りがあるとは思いませんでした。

 『田舎の竜騎士見習いは帝都の空で愛を狩る』は、大自然に育まれた純朴な少年ベルランが、きらびやかな帝都というまったく異なる世界に身を置き、戸惑いながらも少しずつ成長していく姿を描いた物語です。

 竜に愛を伝えることが騎士の務めであるという設定には驚かされましたが、ミルウスの“甘い懺悔”には思わず笑いながらも、竜たちの感情の豊かさや、言葉の力を信じる世界観に心を打たれました。ベルランとルリーの関係も、読めば読むほど愛おしく感じられます。

 異文化との出会い、愛情表現のかたち、そして心を通わせるとはどういうことなのか――。“愛”とは、伝えるものなのか、それとも気づくものなのか。
 
 その答えを探して、もう少しこの空を旅してみたくなりました。

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