主人公が通う静かで穏やかな大学に流れる噂。「真夏の夜に人が山に喰われる」先輩の失踪から始まり、主人公は不穏な空気を感じている。それが少しづつ、でも確実に主人公の周りに濃くなっていき、静かな違和感が積み上がっていきます。そんな印象で物語が進んでいきます。そして最後に抱く主人公の想いが終わりないホラーとして残ります。対処のしようのない不条理が、淡々とした文体で描かれることで、より一層冷たい棘のように突き刺さりました。夏の暑い今の時期にぴったりな作品です。
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