愛という言葉の甘美さと残酷さを哲学する

愛という言葉の甘美さと残酷さを
三つのトークで段階的に反転させていく構成が
なんとも非常に印象的な意欲作。

囁きは依存を
甘さは自己欺瞞を
真実は冷酷な現実を

それぞれに暴き出す。

官能的な語彙の裏で登場人物が互いに「利用する/される」関係へ沈んでいく過程は非常に鋭く、哲学的ですらある。

愛の定義を問うより
愛を商品化する視線そのものを告発する短編。