ここに彼女がいた

ある男女の、別離と再生の物語。

言ってしまうとそれだけなんですが、切々とした思いが、それもじわじわと胸と染み込んでくるんですよ。

男性は繊細な、そしてある意味幼い人なんでしょう。だから彼女との別離の悲しみに記憶が断片的になるほど傷つき、その中には同じく彼女の死を嘆いているだろう家族や友人の影はほとんどない。
だけど(おそらく)十代での別れというものはそういうものであり、だからこそ主人公の心の傷の深さに共感してしまう。

物語全体に通じる、優しい言葉使いも魅力的でした。

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