王道だけど新しい、バランスに優れたファンタジー

第8話まで読みました。かなり本格的なファンタジーなのですが、文章がリズミカルで読みやすいため、ぱっと見の印象よりはずっと滑らかに読める作品です。

王様から任務を依頼されるという、文字通り王道な展開ではあるものの、真名とかガラなどの、ちょっと謎めいた独特の設定が、この作品ならではの独自性を感じさせます。その独自要素だけが先走ると、「オリジナリティはあるものの読みにくい」物語になりかねませんが、今作はそこの塩梅が良好です。

五人パーティのメンバーの個性の振り分けも良く、その辺りを含めて、全体にバランス感覚に非常に優れた物語です。

名字だけが日本風というのも、ちょっと不思議な世界観ですが、先に進むとその世界観の一端が明らかになるのでしょうか。序盤から、先への引きをしっかり用意している点にも、好感を持ちました。