受験生に必要なのは、才能よりも一粒のチョコレート。
- ★★★ Excellent!!!
ギフテッドとは、才能をもつ人間のことをいう。
けれどこの物語で描かれる“ギフテッド”は、それとは少し違う。
彼もまた、いわゆるギフテッドなのだ。
ただしそれは、生まれつきの才能ではない。
彼に与えられた“ギフト”は、幼馴染である彼女、その存在そのものだった。
大学受験という厳しい現実の中で、
彼はバレンタイン・チョコレートの買い物に付き合わされる。
それは恋のイベントというよりも、
彼女なりの距離感で差し出された、ささやかな介入だった。
才能では救われない場面で、
一粒のチョコレートと、隣に立つ誰かが、
人を前に進ませることがある。
この物語は、そのことを静かに肯定している。