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だあれが殺した?――「わたしが殺した」

だあれが殺した?――「わたしが殺した」

りんごあめ

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★9
3人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • 早坂知桜
    266件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    事実は猫の眼をしている。見つめ返すたびに、心の歪みを映し出す。

    乾いた空気の中。
    童謡のかたちをした噂が、静かな修道院で「事実」にすり替わっていく。
    黒猫も、歌も、呪いも、すべては真相を隠すために並べられたものだった。
    淡々とした語りの裏で描かれるのは、噂に寄りかかる人々の弱さと、それを利用する巧妙さである。主人公は感情を挟まず、ただ目に映る痕跡だけを拾い上げていくが、その冷静さがかえって不穏さを際立たせる。
    石造りの修道院に差し込む赤い光の中で、真実は大きな叫びを上げることなく、静かに露わになる。読み終えたとき、読者は「呪い」よりも、人の作る物語の方がよほど恐ろしいのだと気づかされるだろう。

    • 2026年1月14日 12:03