概要
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!濃いスチームパンクと両性具有。そんな特殊性癖を持つ方への極上の餌。
産業革命後のイギリス。スチームパンク。亜人種。人工体内器官。軍。暗殺機関。薬店。剣士。食卓。
この作品は、これだけの属性の餌を積み上げながら「人が人として扱われる場所」を正面から描いている正統派SFである。
黒い薬店「Southern Cross」表向きは薬を売る場所。
けれど傷ついた者を受け入れ、社会からはじかれた者を一時的にかくまい、軍や政治や差別の冷たい歯車から人を守る、小さな後方基地でもある。
前線の英雄より、後方で包帯を巻く衛生兵に脚光を当てる展開である。こういうのが軍事オタクには突き刺さる。
主人公がまた属性のてんこ盛りである。
薬店の店主であり、剣士であり、人工人間で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!産業革命というとイキリのイギリスが最初に浮かぶ
イキリス。
そんなイギリスのイキリっぷりがすごい時代を物語開始時期にするとは度胸のある、と思いました。
イギリスの産業革命後の「イキリっぷり」は、ワットが冷たい所と熱い所って改良した蒸気機関という圧倒的なテクノロジー、世界全体のシステムを自分たちに都合の良いルールへと強制ハッキング(逆支配)していった歴史はわたしたちも高校で習った通りだと思います。
「金だけ、今だけ、自分だけ」
を世界規模のインフラで行った、当時のイギリス(イキリス)の暴挙と、それが日本の幕末へと同期していく「絶望のバグチェーン(連鎖)」
インドの奴隷化(原材料の強奪と工場の破壊)
アヘン戦争(逆ギレによるイギリス…続きを読む - ★★★ Excellent!!!やはりSFとは、こうでなければ。
異種族と人工人間が共存するスチームパンク19世紀のイギリス、たまんないです。
緻密な時代考証に基づくリアルな歴史要素にSFとファンタジーが巧みに融合されていて、とても魅力的です。これは、よほどの好き者じゃなければ書けないなって見ましたが(眼鏡がキラリーン)
蒸気技術をベースに発展したスチームパンク世界に、異種族と人工人間という「人間性」の境界を揺るがす存在が加わり、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』にも通じる物語の深いテーマ性を感じます。
人工人間が迫害や偏見の対象になっている点も、現実の人間社会が抱える根深い問題を反映しているように感じました。
──やはりSFとは、こうでなければ。
…続きを読む