大好きなあなたへ、想いが届きますように。

 (本作品は『初恋と幽霊』の続編となります。先ずは前作から閲覧することをお勧めします。)

 高校に入学した藍さんの目の前に突然現れた一人の幽霊。それは藍さんが小学生の頃によく遊んでくれた初恋の人でした。

 亡くなってしまった優斗くんの心残りだったことをやり遂げるために、協力する藍さんと啓太くん。啓太くんもまた唯一、優斗くんが視える一人でした。

 その啓太くんはずっと藍さんのことが大好きで、でも藍さんはずっと優斗くんが大好きで……。

 三者三様の想いがとても切なくて、それでも優斗くんのために高校の文化祭で卒業生を呼んで演奏する計画を立てますが、それは優斗くんの心残りを解消することでもあり、思いを叶えると優斗くんがこの世から消え、別れを意味しています。

 三人の心情を丁寧に描き、個々の想いがギュッと詰まった作品。

 切なくも悲しい淡い初恋。
 優斗くんと過ごした半年間は美しい想い出となり、このことで藍さんと啓太君の成長した姿が清々しくもあります。

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