堕落と絶望と美しさと。

別作品「フェアリーウェイト」を先に読んでいたのだが、こちらはまた一風変わった作品。
ぬかるみの中でもがき続ける主人公と、彼女に寄り添う奇天烈な人々。
決してキレイとは言えない泥沼のようなものを作者は芸術品に昇華させたと思う。

ところで15で悪魔といえばタロットカードだが、カードに象徴される執着の鎖を断ち切ったかのように、主人公のカオルは汚物と落伍の地獄を抜け出して光り輝く暖かな場所へと辿りつく。
エピローグに至る過程は「13 死神」そのものである。

あるいは鎖にしがみついていたから竜の背に乗れたのか。

いろいろ書きましたがとにかくこの一言が言いたかったのです。

「面白いのでぜひ読んで下さい!」

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