カオルは「龍の背」に乗ったのだ

 この作品は紹介するのが非常に難しい作品である。
 いつもの定食屋に行って、「おばちゃん、いつものアレちょうだい」と言う人には、薦めにくい。
 けれど、おばちゃんに「今日は特別メニューがあるんだよ」と言われたとき「じゃあ、ソレお願い」と言える人には、是非お薦めしたい。
 これは珍味であり、決してゲテモノではない。美味か否かを決めるのは、貴方自身だ。

 タグの中に、「純文学」がある。だが、これは、純文学好きの人に太鼓判を押すためのもので、純文学が苦手という人を敬遠させるためのものではない。
 純文学が苦手な人は、このタグは見なかったことにしてほしい。読み始めてしまえば、問題なくすんなり物語に入れると思う。そして「全然、純文学じゃないじゃん?」と思うだろう。
 だが、やはり途中で、「……純文学かもしれない」意見を変えることになると思う。ただし、そのとき、読む手を止めることはない。先が気になるからである。

 タイトルに「龍」とあるが、ファンタジー作品ではない。このタイトルの意味は、読み進めれば納得がいく。納得してしまえば、このタイトルはごく自然、それどころか、これ以外あり得ないと言い切ることができる。

 具体的な内容を紹介する前に、随分と長文になってしまった。
 まぁ、これでいいだろう。要するに、読めば分かる、ということだ。

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