概要
海峡に引かれた一本の線が、世界の見方を変えた。
幕末から明治へと移りゆく時代、異国の青年トーマス・ブラキストンは、夢を追って箱館の地に辿り着いた。商業への挑戦は戦火と失敗に阻まれるが、その挫折が彼を自然探究の道へと導く。鳥の羽ばたきに耳を澄まし、海峡の向こうに広がる生態系の違いを見つめ続けた彼は、やがて北海道と本州を隔てる生物地理学上の境界、「ブラキストン線」を見いだす。旅立ちと喪失、再起と発見を重ねる長い旅路は、世界を知ることが自分自身を知ることでもあると教えてくれる。境界は分断ではなく、新たな世界への道標。彼が海峡に刻んだ発見と探究の精神は、今も静かに息づいている。
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?