概要
隣にいた俺が、隣に立つ男の前で、君の八年を読み上げる。
大学からの八年、ずっと隣にいた。告白した夜、彼女・三浦日和(ひより)は「隣にいた人と、隣に立つ人は違う」と言い、同じ夜に「友人代表のスピーチ、あなたにしか頼めない」と続けた。条件は一つ、原稿に嘘を書かないこと。式まで九十日。俺は毎週土曜、同じ喫茶店の同じ席で、彼女と打ち合わせをしながら原稿を書く。一節できるたびに読み上げ、そのたびに彼女は黙り込む。婚約者は俺を警戒し始め、彼女の親友は俺の側につき、原稿は二人の八年を一つずつ掘り返していく。これは、隣にいた男が、隣に立つ男の前で読む言葉を、九十日かけて探す話。
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