完璧なまでの虐待描写に、序盤から思い切り感情移入させられます。だからこそ、ようやく訪れた復讐の機会に、主人公がなぜか熱心に施設を探していることに「なぜ?」と混乱させられる。ところが、その先でゆるやかに始まる“最高の環境”での療養生活。ためにためたカタルシスが一気に解放され、最後の一言まで読むと、完全無欠の因果応報にスッキリします。
誰しもが、幸せな子供時代を送れるわけではありません。大人の都合で家族のメンバーが入れ替わったり。理不尽な仕打ちに泣いたり。子供なりに、知恵を使って工夫して、なんとか生き延びる。そして大人になったときに。返せばよいのです。いろいろと。もう非力な子供ではない。大人なのですから。本作のような生活を送る子供は、今もどこかにいるかもしれません。「因果応報」まで。強かに生き延びてほしい。読後、そんな感想を持ちました。
もっと見る