この作品に出逢えたことに感謝しています。
その経緯を説明するために、少しだけ自分語りをさせてください。
私がカクヨムに登録したのは(プロフィールによると)2016年2月15日、リリースと同時期か事前登録です。
当時の私は、小説投稿サイトを利用すること自体が初めてで、えらくはしゃいでおりました。なにせ、長年一人で書いてきたのです。ここには志を同じにする仲間が集うはずだと、あわよくば執筆仲間ができたらいいなと夢見ていました。
ところが、リリース直後のカクヨムは、書く人ばかりで読む人がいない、という問題がありました。
「よーいドン!」と合図されたら、誰だって駆け出します。書いていたら読む余裕なんてありません。そして、カクヨムには書く人しかいません。誰のPVも伸びない、という陰鬱な現状が待ち受けていました。
(少なくとも、私の主観ではそうでした)
せっかく頑張って書いているのに……。
そう思ったときに気づきました。ここにいる仲間(推定)たちも同じ気持ちなのだろうと。
「この私が目をつけた小説投稿サイトが、鳴かず飛ばずという現状は承服しかねる! ならば、私自らの手で盛り上げてみせようぞ!」
そんな使命感に駆られ、書きながら、読む側にも回ることにしました。
ジャンルを問わず、気になる作品を読み漁りました。まだ応援ボタンがなかったので、できるだけ最新話まで読むようにしていました。そして、「面白い!」「好き!」と思ったものには評価をつけ、レビューを書きました。純粋に、どれだけ面白くて好きだったかを伝えたかったのです。
実際、「おいおい、こんなに面白いのになんで誰も読んでないんだよ! なぜ気づかないんだ!」という作品はそこかしこにあり、自分のレビューをきっかけに(かは分かりませんが)、☆0だった作品がランキング上位に入ったときは、我がことのように嬉しかったです。
勝手に運営の回し者ポジションになって暗躍していたのですが、そのうち、自分の作品にも人が集まるようになりました。
「情けは人の為ならず」なんて言葉がありますが、別にお情けでやっていたわけではありません。好きだと思って好きにレビューを書いていた。それだけです。
けれど、「あの作品を書いたあの人」たちが読みに来てくれて、評価をもらえるというのは、くすぐったくも嬉しいことでした。
結果、私の作品はミステリーの総合ランキングで2位、全ジャンルでも上位に入ったような気がします。(記憶違いで盛っていたらすみません)
しかし、いいことばかりではありませんでした。
繰り返しますが、私は好きに読んで、好きだと思った作品に評価とレビューをしていただけです。
ですが、X(旧Twitter)や掲示板で叩かれるようになりました。
「☆目当て」「相互」「自演」「複垢」などなど……謂れのない批判を受けるようになったのです。わざわざXのDMで嫌がらせをしてくるような人までいました。
作品に対する悪口はなかったので、最初はダメージはありませんでしたが、日常的にこのようなことをされていくうちに疲れてしまいました。弁明するのも面倒くさい。やがて、「カクヨムってこういう人たちばかりなのか……」という気持ちになってしまいました。
さらには、私が評価した人も嫌がらせを受けたのでしょう、お気に入りだった作者さんがアカウントを消してしまいました。
これがとどめとなりました。
私がレビューをしたせいでその人は筆を折ったのかもしれない。そう思うとやるせなく、悔しく、そして何より、申し訳なくなりました。
結果、私もカクヨムから距離を置くことにしました。
嫌がらせをしたり、風評被害を流してくる人たちの思う壺だということは分かっていましたが、他の作者さんの迷惑になるくらいなら、という決断でした。別にカクヨムにこだわる必要もない、と自分に言い聞かせて……。
そんなこんなで永らく放置していたのですが、賞にも書籍化にもまったく向かないが「書きたい」という作品ができたので、読者層的に唯一救いのありそうなカクヨムに帰ってきました。
そうして、こちらの創作論に出逢ったのです。
『第3話 友情パワーを手に入れろ!』を読んだときに、自分のやっていたことは間違いではなかったんだ、と救われたような気持ちになりました。同時に、今はお互いが読んだだけで悪口を言ってくる人もいないと知って安心できました。
私という実績があるので、こちらの創作論は正しいと太鼓判を押させていただきたいです。
それから……
どうか、十年前にアカウントを消してしまったあの人にも、この作品が届きますように。