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アーティストと政治家 ※政治の題材注意

すったもんだあった末、高市早苗氏が日本の総理大臣になりましたね。世間では日本初の女性総理という事もあるのか、彼女に現状打破を期待する声も高まっていますが、個人的には全く期待していません。というのも、フレッシュに見える彼女の表の顔とは裏腹に、彼女が取り行おうとしている政策はどれもこれも過去の政権の流れを踏襲したものであり、新鮮さのかけらもないどころか、むしろ時代と逆行しているとしか言えない部分が散見される為です。

一例として目下のところ彼女が最優先課題としている物価高対策を挙げますと、彼女は手始めにガソリン税の暫定税率を廃止すると声明を出していますが、率直に申し上げて場当たり的でパフォーマンス的な政策にしか見えません。

そもそも昨今物価が上昇している最大の理由はアベノミクスが引き起こした円安にあるのに、相も変わらずアベノミクスの路線を継続し、財政出動してどうするつもりなのか。更なる円安を招くのだけの結果に終わるのではないかと危惧するところです。

本気で物価高対策をする気ならば、自民党がこれまでに行ってきた政策を見つめ直し、抜本的な改革を行う必要がある筈なのですが、残念ながら今のところそのような動きは見えません。

とはいえ党内では異端とされる石破氏でもその辺りは達成できなかったので、自民党に自浄効果を期待する方がそもそも間違ってるのだと思われます。

興味深いと思ったのは彼女の支持層。自民党の岩盤支持層になっているのは壮年の男性というイメージがありますが、彼女はむしろ若年層に人気があるようです。政策に期待されてるというより、彼女の”キャラクター”に票が集まっていると見るのが妥当な見方でしょうか。かつて小泉純一郎氏が主婦層に人気があったのと似たような現象と思われます。

しかし推し活感覚で政治家の応援をするのはどうなんでしょうか。どう贔屓目に見ても健全とは言えない姿勢だと思います。

高市氏に限らず、どうも昨今の政治家は自分の事をアイドルがロックミュージシャンかなにかと勘違いしている節があるのではないでしょうか。民主主義というシステムを採用している以上、大衆の心理を鷲掴みした者が国の舵取りを行う訳ですが、日本のみならず各国の政治家は政策云々よりも自己のキャラクターをどう売り出していくかに苦心しているように見受けられます。それで本当にいいのか。

そういう役割は本来アーティストが担うべき事なんですけどね。と、考えると、職務怠慢気味なのは政治家だけでなく、アーティスト職の人間にも言えるのかもしれません。つまり何が言いたいのかと言うと、アーティストは作品を作るだけでなく、もっと世間の矢面に立つべきだという事です。世間に出て批判されるのが怖いから萎縮して、当たり障り無い事言うんでしょうが、それでは大衆の心は打てません。で、巡り巡って政治家の質が低下し、民主主義そのものが劣化すると。

…なんて、世間に全然認知されてない自分が言っても仕方ないんですがね。

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