• 現代ファンタジー
  • 創作論・評論

アニメ『メダリスト』感想

若干流行から遅いですが、アニメのメダリスト観ました。
で、感想としては、主人公の造形が今風だなぁって事です。
僕が子供の頃観ていたアニメの主人公って、特別な才能はないけどとにかくひたすら前向きで、その明るさに引き寄せられて仲間が集まってくる…みたいなシナリオが多かった気がしますが、そういう系統の主人公って最早時代遅れなんでしょうか。
メダリストの主人公はそんな古き良き主人公達とは真逆で、才能に溢れており、なんなら環境にも恵まれてます。過保護だけど優しい母親、シスコン気味の姉、そして自分を事あるごとに励まし、応援して導いてくれるコーチ…金銭的にも特に不自由しているような描写はありません。
そんな状況に置かれているにも関わらず、何故だか知りませんが主人公は自己肯定感がとにかく低く、メンタルが弱いです。曰く自分には何もないからだそうです。?????????
就職決まらない大学生じゃあるまいし、んな事に悩む必要ないのになぁ。小学生の頃なんか何もなくて当たり前な気がするのですが。つーかむしろなんかある方がこえーよ。私なんか小学生の頃はかめはめ波撃つ練習しかしていた覚えありません。
というか主人公に関わらずこの作品に出てくるキャラクター、みんなそんなかんじです。作中に出てくるワードで、『5歳からスケートやってて云々』というものがあるのですが、その台詞のあまりの冷徹さに正直薄気味悪さというか、ゾッとするものを感じました。子供なんか取り柄なんかなくてもとりあえず健康に育てばそれでいいと思うけどなぁ。そんな幼い頃から『何者か』になろうとしなくたっていいのに…幸福な子供時代は一度過ぎ去ったらもう二度と戻らないんだから、もっと遊べと言いたいです。マイケルジャクソンか君らは。
でも…よく考えるとそれが今の子供達のリアルなんでしょう。SNS全盛期のこの時代に育った今の子供達は、常に世界中の才人達と比べられてる。そして、自分の価値を見出せず、生きてるだけで息苦しい。だからこそ必死に『何か』になろうとしてる…
そんな今を生きる十代にブッ刺さってる作品なんでしょうね。
うーむ。これがジェネレーションギャップというやつか…。a世代恐るべし。
私は今のところ結婚してませんし、(多分)子供もいません。しかしもし子供が出来たらどう接してやればいいのかな…きっとあの作品の主人公のように苦しむんでしょうね…私は上手く自分の子供を導いてやる事が出来るでしょうか…。
なんて事をアニメを観てる時だらだらと考えてしまいました。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する