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ステップ・バイ・ステップ

 全く経験の無いことを、小説に書けますか?

 小説を書くこととは、経験したことがなくても、想像力と筆力で物語を創り出すことだ、と言われるかもしれません。けれども何かしら、似たような出来ごとがあった、登場人物の性格に似ている、訪れた場所や出会った人などがインスピレーションになっていたり、影響を受けているものではないかと思います。

 雪のお話を書いたのですが、雪国で暮らした経験が無いので、あまり主観で語るのもステレオタイプにするのも失礼だよなあ…… と感じます。しかもこの年末は、北半球の大分緯度が高い地域に住む親戚に会いにきているので、雪景色に感激しつつ、あの話を書くというのも…… ジレンマです。夕暮れに影を伸ばす針葉樹と、淡く輝く雪原は、それは美しいです。自然の為すことを人間が超越しようなんて、おこがましいのだなあ……(想像力だけであれば、現実を突破できるかもしれませんが、物理的に作り出すのは難しい)。

 雪ではありませんし、概ね低調なン十ン年を生きてきましたが、「自然条件のため」「そこから出たくても出られず」「このやろう(怒)」「助けてくれ……!」と思った経験はあります。追い詰められても逃げ出せるところが無いというのは、緊急度に差が有っても辛い。

 ということで、私の場合、少しでも経験が無いと、書けません。特に場所については、行ったことがないと描写が難しい。テーマ設定も、それまで学んで考えてきたことから成り立つものなので、蓄積を使い果たしてしまうとテーマすら浮かんでこなくなる。最近小説を書けないのは、こういう理由もあるのではないかと思っています。ならばどうするか?

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