皆さま、花金の夕方、いかがお過ごしでしょうか。今日も暑かったですねー。
先週末に、カクヨムの名探偵あらまき氏より、「小田島さん、金曜日のノート更新しませんでしたね。僕、小田島さんのノートで週末の到来を知って気分がアガるのに、それがなかったから寂しかったです。。」みたいなコメントを頂き、「うっそーん?」とは思ったものの、「そんじゃ書くか」とのせられ、筆というかロジクールの静音キーボードを取り出しました。
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とはいえ、現在は特に執筆活動はしておらず、エリトニー興亡記の細かい改稿をしているくらいで、あとはアチコチの作品に顔を出し、マメにコメントやレビューをしている、いわゆる読み専状態となっており、創作活動のお話はありません。
なので、今日は、久しぶりにお仕事のお話をしたいと思います。
わたくしは新宿で法律事務所を構え、弁護士をしておりますが、この5月末から全国の裁判所で導入された「mintsu」(ミンツ お菓子ではありませんw 『民事なんとかかんとか』の略です)のおかげで、ほぼ事務所でデスクワークするだけで済む生活になっております。このミンツは、弁護士は全員登録を強制されているのですが、これによって、今まで紙媒体だった裁判書類が、全てミンツを通じた電子版の提出で足りることになります。そして、皆さんが想像する裁判(弁論)も、基本的に裁判所の法廷ではなく、ウェブ上で裁判官と相手の弁護士が「聞こえますかー?」「やあやあどうも」とか集まって行うことになるため、本当に、訴訟の提起から、弁論、そして和解や判決と言った、これまでなら遠方の裁判所に重い鞄持って汗をかきつつ通っていたのが、全て机上のパソコン上で完結することになりました。午後イチの横須賀支部なんて殆ど一日がかりでしたからねー。今じゃ、パソの前に座って5分です。時代は変わるものです。
しかし、紙の記録が残らないというのも考え物なんです。例えば、法廷で証人尋問(証人の狼狽えた顔色の変化とか、裁判官が頷いているかとか、現場で観察する必要があるので、WEBでは無理なんです)などを行う場合には、「記録なくて何持っけばいいのよ? 法廷で証拠どうやって示すのよ?」という問題があります。それと「お客さんに紙の一件記録と一緒に請求書を送れないじゃん。事件番号教えて、請求書だけポンってのじゃ、なんともやりにくいな。。」というような、実務的な課題もありますね。このあたりは、徐々に世の常識の方が追い付いてくるものかも知れません。
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とまあ、このような事情で、殆ど事務所から出ないモヤシ弁護士になり果てていたのですが、今週は珍しく、千葉県茂原市に出張に行って参りました。清算人の仕事で、売り物の土地の調査に行って来たのです。
「清算人」というと、本来は、「解散した会社の財産を集めて、債権者に払い、残った財産は株主に分配して、会社を成仏させる」というのが仕事で、もちろん解散した会社の役員が務めるのが普通です。
んが! それだけではなく、時折、裁判所によって、スポットで清算人が選任されることがあるんです。どういう場合かというと、「長い事休眠していた会社を復活させる必要があるとき」なんです。
今回の場合には、平成2年から休眠していたある不動産会社が、千葉県茂原市に未だに土地を持っていたのです。で、隣地の所有者が現地を見て、「どうせなら隣の土地も欲しいな」と思って持ち主を調べてみたら、「平成2年から休眠してる幽霊会社だよ。。」「役員が今生きているかも分からんぞ。。」ということが判明したのです。
で、こういう、「土地は欲しいが、所有している会社が動いていない」という情況に陥った時、裁判所に「この会社の清算人を決めて下さい! 土地を売って欲しいんです!」と申立て、裁判所が「ですってよ。オダジマさん、この土地売買だけスポットでやってくんない?」「はーい!」ということで、突然幽霊会社が36年間の眠りから目覚め、オダジマ不動産が誕生! とあいなるわけです。まあ、仮社長みたいなもんですね。
で、購入希望者から出てきた買付証明が、「え? 20万円? 坪7500円? いくら田舎だって、そこまで安いの?」ということで、ホンマかいなと、この火曜日、暑い中2時間もかけて行ってきましたよ。
JR茂原駅(結構賑やかだった。なんとプチ三越があった)からタクシーで15分、辿りついたのは、「おお……原野だ原野だ、草原だ。。」という、草ボーボーでなんもないところでした。視界の果てまで建物はなく、「なんでこの会社こんな土地買ったのかね。。」という印象バリバリでしたが、平成2年はバブル最盛期でしたから、きっと値上がり期待で買ったのでしょう。
写真を5分で撮り終え、「長居はご無用」とばかり駅に戻って、不動産屋さんに飛び込んで相場観を聞いたところ、「あの辺はまともな土地でも坪1万円しないからねえ。どっちみち隣にしか売れないんだし、7500円ならいい線じゃないの?」ということで、一瞬で20万円が適正であったことが判明し、東京にトンボ返りして、「20万でOKです!」という売買契約書を作成致しました。
この売買が終わると、おそらく代金は全額わたくしの報酬となり、その後裁判所の書記官が、法人登記から清算人の選任を取消し、わずか1か月程度でわたくしはクビw、オダジマ不動産は再び長い眠りにつくことになるのです。
以上が、珍しいスポット清算人のお話でした。いやー、世の中いろんな仕事があるものですね。
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本日の写真は、その原野のものでございます。裁判所提出のレポートにもつけることになります。
みなさんいかがですか? 坪7500円ですよ。100坪買っても75万円! 立派なお屋敷が建ちますよ! もっとも、建物はどこで建てても同じ金額かかるから、1憶くらいするかも知れないけどw
あと茂原はとってもいいところでしたよ。タクシーの運転手さんも、不動産屋さんも、定食屋のおばちゃんも、みんな親切で優しい人たちでした。大体、北関東(茂原は千葉県だけど)の人たちは、こんな感じですね。欲も得もなく、幸せに生きている雰囲気です。県別の魅力度ランキングは低いですけど、きっと「あはは、そうなのかー」くらいで、そんなこと気にしてないと思います。
以上、渾身のお仕事レポートでございました。
それでは皆様、良い週末をお過ごしください!
