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星の影放浪記第三巻「美良(うまら)の斎王」進捗状況と、簡単なストーリー紹介

拙作「星の影放浪記」シリーズの第三弾「美良の斎王(うまらのさいおう)」ですが、現在「指輪物語(ロードオブザリング)」で言うところの旅の仲間が出発したあたりまで書き終えました。
すでに6万字越え。場面のカットも考えたけど、どれもこれも必要なシーンなので、このまま突き進むことにします。

仕事も繁忙期に入り、やっぱり来春以降の連載開始になりそうな気もします。それまで近況ノートを放置するのもどうかなと思ったので、序盤導入のストーリーについて書いておこうかなと。


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星の影放浪記 第三巻「美良の斎王」

 世界暦196年6月。文明開化が進む極東の国、「和国」。
 皇祖神を祀る最も重要な神殿「神宮」にて、帝に代わり祭祀を行う皇女である「斎王」が亡くなった。これにより、新たに帝の妹君が斎王の位に就くことになった。

 斎王が美良(うまら)の地にある神宮に至るまでの行列を「群行」という。禁中の大極殿の朝庭にて、その群行に参加する、随員の召し出しの儀式が執り行われる。
 この召し出しは、たとえ手違いで名前が呼ばれなかったとしても、それがいかなる重役でも参加は認められない、それほど厳粛なものだった。

 しかし、その読み上げを行う者が、突如として何かに取り憑かれたかのごとく、予定にない者の名を呼び始めた。
 儀式を取りしきる社寺庁の長官は、怒り慌て、読み上げの者から名簿を奪って自ら召し出しを行おうとするが、突然吹いた風にひっくり返って名簿を飛ばされる。

「ご神意や……」

 洋装に身を包んだ百官が唖然とする中、読み上げの男は狂ったように次々と名を叫び続け、最後に、人ならざる、轟きのような「声」をもって、

「p……n……!!」

 その「声」は、居並ぶ者たちの脳裏に、ある男の姿を映し出させ、そして一瞬のうちに忘れさせた。



 斎王赴任に対する特使を乗せて和国に向かう、ヨレン王国の船の中。
 ショール・クランは、自分を呼ぶ、その「真実の言葉」に気づいていた。
 いつもの「嫌な予感」とともに、懐かしい気配を彼は感じる。
 和国。そこは、幼いころ奴隷だった彼が、人としての生を歩み始めた、「はじまりの地」だった。


 斎王群行を闇から見つめるもの。
 人の業、文明開化に紛れたおぞましき者ども、太古から続く和国の罪。

(しょう坊や、わらわの姪を助けてやっておくれ)

 壊れ、枯れ果てたはずの心に滲み出る何かを感じながら、ショールは一騎当千の者たちとともに、斎王の「群行」に加わる。


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