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第61話 陥落

 モモが嬉しそう、モモが惚れ込んで、モモが、モモが、と言いつつ全て自分のことだったリカ。優し過ぎるリカ。怖がりで素直になれなかったリカも、ついに陥落です。あとは三人が如何にして複婚を受け入れるか。倫理や常識の差を克服するには、また別の「事件」が必要になるのかも知れません。

 そしてお気付きでしょうか。リカは転生前も含め、一度も「橘花くん」と呼べませんでした。只管、心中で「橘花くん」と繰り返していただけ。彼に囚われた心に向き合えず、余りにも意識し過ぎるが故に、名前さえ呼べなかったのでした。沢小鬼の群れに襲われた際に「ショウくん」と叫んだ一回だけ。

 その後は益々意識してしまって「橘花くん」と考えることすらできなくなり、「彼が」「彼が」と唱えることになったのでした。魔具の起動操作での心の触れ合いを経て、漸く心中で「ショウくん」と呼び、口にも出せるようになりました。第51話がその最初です。モモとショウくんの驚きは如何に。

橘花 菫(たちばな すみれ)
 5月生。一学年下の16歳(モモとは2か月違い)。156cm、サイズは秘密。
ショウくんの妹に相応しい超美少女。難病で入院中。高校には殆ど通えていない。血縁でなければ良かったのにと思う程に兄を慕っている。聡く敏いため、死期が近いことを悟っていた。兄を理想的な男の子に鍛え上げたのは、董の存在が大きい。三人の関係性も正確に把握しており、日本では不幸な未来しか見えないその行く末だけが心残りだった。

(再掲)
橘の花言葉:追憶
董の花言葉:謙虚、誠実、小さな幸せ(紫花:あなたのことで頭がいっぱい)
※兄・菖(しょう)の花言葉:(アヤメではなくアイリス)メッセージ、希望、信頼(紫花:知恵、雄弁。白花:あなたを大切にします、思いやり)。

4件のコメント

  • おはようございます!
    複婚可の国だったですね!女性陣の気持ちははっきりしてるけど、ショウくんはどうなんでしょ?多分まだ、どちらも欲しい…とは思ってないように見えます。ショウくんの性格的に受け入れられるのかな?固定観念とか倫理観とか強いと、世界が変わっても、なかなか切り替えられなさそうではありますよね。
  • 佐子八万季さま
     いつも有難うございます! 第61話でも心の中の決意ですので、進展するにはもう少し掛かります。
     実は第2話でも明記している某スキルを取得すると常識や習慣がインストールされるのですが、例え知識だけを得ても、やはり倫理規範の差を超えるのは簡単ではない、と思っています。
  • 第50話・第51話本文を読みなおしてきました。
    第50話の時点で、もう心の中で「ショウくん」が出ていたのですね……。

    「橘花くん」から「彼」、そして「ショウくん」へと移っていく流れがあまりにも自然で、気がつけませんでした。
    呼びたいのに呼べない気持ちが本文にちゃんと滲んでいて、すごいです。ますます沁みました。
  • 丈王音羽さま
     再読までしていただいて、感激です! 声に出す呼び名と心中の呼び名の変遷は是非とも入れたかったので、何度も推敲しています。でも間違いがあったら申し訳ありません。
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