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第121話 養蜂と切通村

 養蜂は古代から試みられましたが、巣箱を壊して蜂蜜を回収するものでした。従って泥や素焼きの壺や丸太、蔓で編んだドーム状の籠(スケップス)が基本で、取り外しできる可動式巣枠は1851年に登場です。蜜蜂が巣を繋げてしまわない距離(ビースペース)が、やっと見出されたのです。

 進化論が受け入れられて蜜蜂の生態を科学的に観察できるようになるまでは、経験だけでは難しかったのでした。何しろ西洋では「蜜蜂は牡牛から産まれる」という珍説が、日本でも江戸時代初期までは「蜂蜜は蜂が小便で醸して作られる」という奇説が唱えられていましたから。

 桶を利用した巣箱は、日本初の昆虫図鑑『千蟲譜』(19世紀初頭)に挿絵があります。我等世(ウィラルテ)でも横倒しした桶型としました。幕末の紀州の天才養蜂家、通称「蜜市」の貞市右衛門(さだ・いちえもん)さんのご子孫は、今も養蜂業を営まれています(貞清養蜂園、和歌山県と北海道の二拠点)。

スコレン村(Scoren)
 古英語で「(刃物などで)切断する」の意味scieranの過去分詞(shearの語源)。すなわち「切通村」。百年以上前に「玄奥の森」から蛟鬼の群れが現れた大漲溢「ノルドの惨劇」の後に建設された関所砦が起源。初代男爵の弟の家系が代々村長兼隊長。衛兵隊が訓練を兼ねて山地の魔物狩に励む砦村。

 AI画像は、壁内に設置する横倒しの桶型巣箱の養蜂小屋。日本初の昆虫図鑑『千蟲譜』(19世紀初頭)の挿絵を参考にしています。

6件のコメント

  • 大量の蜂蜜が取れそうですね!

    でも、ふた?が閉まっていたら、何が入っているのだろうと覗き込みたくなる危険性を感じます(笑)。
  • 翠川さまのコメント、同感です!
    知らない人がなんや、これ?って覗き込んで大惨事…というのが目に浮かびました(笑)
    蜂蜜は一番手軽で古い甘味料なのかと思っていましたが、そうでもなかったのですかね。うちの下の畑の主がささやかな養蜂をされていて、何度か蜂蜜を頂いたことがあります。手間もかかるし話を聞くと、大変そうです。でっかい巣蜜を燃やしているのを見かけたことがあったのですが、もったいないな何か使えないのかな?と思いました。まぁ使えないから燃やしているんでしょうけど。
    ちなみに、私は蜂蜜は大丈夫なんですけど、プロポリスアレルギーです😳(知らんがな)
  • 翠川 あすか様
     た、多分、この世界の人は養蜂小屋だと分かりますから。流れの魔物狩で余程の世間知らずでもないと……はっ! それはつまり転生者。他の同級生エピソードで採用すると面白いかも。これは検討させてください。有難うございます!
  • 佐子 八万季さま
     蜂蜜は古い甘味料だと思いますが、自然の蜂巣を採取するか、養蜂することになりますが、やはり効率が悪くて、近代の可動式巣枠が登場するまでは現代の1割くらいが精々だったようです。高級品になりますよね……。
     佐子さま、プロポリスアレルギーでございましたか。巣の成分が混じるローハニーだと危ないですよね。お気を付けください!
     
  • 中身ぎっしり詰まっていそうですね!
    あ、でも、現代の人が見ても、蜂の巣箱には見えないかもですね。
    面白いです。
    翠川 あすか様、佐子 八万季様のご意見にまったくもって同意ですっ!
  • 桐原コウさま
     古代や中世のオリエントや西欧の養蜂だと、もっと巣箱がバラエティに富んでいてそれこそ「コレナニ?」でございます。皆さんから「覗き込んで刺される」をご提案いただくので、これは「我等世知らず」の転生者エピソードに入れるしかない!?……と思っています!
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