こんばんは。
『夜姫 ―常世神話譚―』を読んでくださっている皆さまへ、
まずは心より御礼申し上げます。
長く続いた葡萄棚編も、ようやく折り返し地点に差し掛かり、
痺れを切らした天照が、物語に姿を現します。
私は葡萄が好きです。
若い頃に観た映画『プロヴァンスの贈り物』以来、
葡萄畑という場所に、ずっと憧憬を抱いてきました。
この物語の舞台を、あえて「星の裏側」に置いたのも、
辿り着けそうで、決して辿り着けない思慕という感情を
描きたかったからかもしれません。
本来、葡萄は同一拠点で
ワイン用と食用を同時に育てることはしないそうですが、
理論上は不可能ではない、とのこと。
そこで常世ではその理論を持ち帰り、
彼女は四十五年の歳月をかけて、
天照のためのワインを作ることになります。
——いつか、一緒に飲める日を夢見て。
夜姫の物語は、まだまだ続きます。
葡萄棚編が終わり次第、
時間軸は『黒羽外伝譚』へと移る予定です。
なお現在、
「純真派」という、なかなか精神を削ってくる存在を描いており、
作者は少々、抉られながら執筆しています。
その反動で、
ときどきヘンテコな息抜き小説が混ざるかもしれませんが、
どうかご愛嬌ということでお許しください。
今回、イラストも一枚描きました。
収穫祭で天照が姿を現す場面は、
自分の中では神話的ワンシーンのつもりです。
少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
