今回は、湊が出航前に触れていた係留索の水滴についてです。空気中の水分は、冷えた物の表面で細かな水滴になることがあります。そのため、同じ港でも索の場所によって濡れ方が違えば、近くを通る空気の温度や湿り気にも差があると考えられます。
作中では、湊はこの違いを単独の決め手にはしていません。照明のにじみ方、鳥の飛ぶ高さ、潮目などと重ね、上空と海面近くの風がまだ混ざっていないと判断しています。
小さな水滴ひとつも、ほかの徴候と組み合わせれば、霧が動く前の手掛かりになるのです。
『勘で物を言う男に給料は払えない』はこちらから読めます。
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