「城渡し」という交渉方法が、戦国時代には横行していた。
これは意外と知られない事実である。
お互いの無駄な損害を避けるための最もコスパが良い交渉術として、珍しいものではなかったそうだ。
今回の田中城を描くにあたって、田中城の落城は「計算された開城」の延長線上にあると考えた。
特に領主としても城は堅固とはいえ、そこまでの兵力を確保するには、兵は貴重。これはどの国もそうだったはず。
願わくば、 妙な小競り合いででも貴重な兵を消費したくないのは、全国の領主の言わずもがなだったろう。
普通戦国ものを書くのであれば、矢が飛び交い 槍がしなり、石礫が飛び、生々しいものを書くのが 王道 だろう。
自分もそのつもりで書いていたが、だんだんと歴史のリアルを学ぶに れて、安易に戦での人の生死ばかりが持て囃されるばかりが戦国時代ではなく
小国は小国なりのリアルな経済状況やリスクを常に秤にかけていたんだなと感じ、大胆に路線を変更してみた。
今はこれがあるからこそ、より本気で書きたい終盤への熱意が高まった
安易に人の生き死にを、安易なカタルシスとして扱わないことで
よりリアルなカタルシスへと昇華できると思う。