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キャー プレビュー

 まぁわたしたちはスーパーナチュラルな力のことを霊気とか気とか魔法とかマナとか言ったりしますが、エジプトでは『キャー』と言ったんですねぇ。
 悲鳴みたい。
 絵はフィギュア化です~わたしのオリキャラもとうとうフィギュア化できました~。
 ってフェイクで、AIで作りました。
 AIでこんな画像もたくさん作れます。フィギュア化なんて元手すごい高いらしい……。
 プレビュー↓



「その、『キャー』、使えるようにしてやろうか? ファラオたちよ。君たちとはもう長く話した。これだけ腹を割って話せば『キャー』を目覚めさせられるだろう。…………霊波動だけど」
 ミハエルが、ナルメルとトトメス3世を『キャー』に目覚めさせることを伝える。
「じゃあ前説明始めるぞ。ファラオ2名よ。
 ナルメルくん、トトメス3世くん。
 ルシファーと敵対する天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊様の事なんだけど、人間の遺伝子で8番染色体にあるDNAには(10、5、6、5)とありこれが天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊様(神)が人間を作りましたよ。って人間に刻まれた製品の型番みたいなものなんだよ。
 でもルシファーは8番染色体をCrsper Cas9で消し、天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊様の遺伝子の刻銘の場所にルシファーの名を入れる。
 つまり神の創造物を上から名前いれて悪魔の創造物にしてるわけだね。
 で、わたしが今ポケットからだした、地球じゃない火明星(ほあかりぼし)ヴァーレンス王国特性の遺伝子修理サポート装置もう大体準備できましたー。これのここの部分に人差し指おいてね」
 ミハエルが説明する。
「そして君たちにはマアトって言った方がいいか。『わたしは宇宙。すべてはわたし』梵我一如をイメージしてくれ!
 そのイメージが上手い奴ほど、素早く遺伝子修復ができる! つまりファラオは可能性高い! さっきお風呂で体清めたし! ナトロン(天然ソーダ。Na2CO3 10H2O)と香油でな! 『キャー』発動できるようになったら人差し指から電気走ったような感覚起きるぜ!」


 ナルメルとトトメス3世は、ミハエルが取り出した小さな装置を見つめていた。それは手のひらほどの大きさで、青白い光を放ちながら静かに脈動している。表面には古代エジプトのヒエログリフに似た文字と、現代的な幾何学模様が組み合わさった不思議な紋様が刻まれていた。
「これが……遺伝子修理装置?」
 トトメス3世が慎重に尋ねた。彼の声には畏怖と好奇心が混ざり合っていた。ファラオとして数々の神秘を経験してきた彼でも、このような技術は初めて目にするものだった。
「そうだ。イントロンを元の形にする」
 ミハエルが装置の側面にある小さなパネルを操作しながら答えた。
「火明星(ほあかりぼし)の技術だ。我々の星では、ルシファーに破壊される前の人間本来のDNA構造を完全に記録保存している。この装置はその情報を使って、損傷した遺伝子を修復する」
 装置から発せられる光が少し強くなり、会議室の空気がわずかに振動し始めた。
 ナルメルは王としての威厳を保ちながら、しかし内心では深い興奮を感じていた。
「我々が神官から教わった『キャー』が、本来はもっと強力なものだったということか?」
「ああ。君たちが知っている『キャー』は、本来の力の十分の一にも満たない。ルシファーが人間の能力を制限したせいでな」
 ミハエルは装置の中央にある小さなくぼみを指差した。
「ここに人差し指を置いてくれ。まずはナルメルくんから始めよう」
 会議室にいた全員が息を呑んで見守る中、ナルメルはゆっくりと右手を伸ばした。エジプト初代王朝の創始者としての誇りが、彼の背筋をまっすぐに保たせていた。
「『わたしは宇宙。すべてはわたし』……マアトの教えに通じるものがあるな」
 ナルメルが装置に指を触れた瞬間、装置全体が眩い青白い光を放った。光は彼の指先から腕へと伝わり、やがて全身を包み込んだ。
「うおお……!」
 ナルメルの声が会議室に響いた。それは苦痛の声ではなく、驚きと感動が混ざり合った声だった。彼の体内で何かが激しく変化しているのが、見ている者にも感じ取れた。
 エウメネスは印章を握りしめながら、この歴史的瞬間を見つめていた。
「これが……神の力の復活というものか」
 サリサ=アドレット=ティーガーは興味深そうに耳をピクピクと動かしながら、ナルメルから発せられるエネルギーの変化を感じ取っていた。
「すごい霊気の流れね。まるで存在そのものが根本から変わっているみたい」
 水鏡冬華は静かに観察しながら、古代日本の神道で言い伝えられる「神憑り」の現象を思い起こしていた。
「これほど強力な霊的変化は……滅多に見られるものではないわ。さすがファラオ……というべきかしらね」
 フィオラ=アマオカミのルビー色の瞳が驚きに見開かれた。竜として長い時を生きてきた彼女でも、このような光景は珍しかった。
「人間が本来持っていた力がこれほどとは……」
 光がゆっくりと収束し始めると、ナルメルの姿が再び明確になった。外見的な変化はほとんどないが、彼を取り巻く雰囲気が明らかに変わっていた。威厳がより深まり、まるで星々の力を内に秘めたかのような神秘性が漂っていた。
「どうだい、ナルメルくん?」
 ミハエルが心配そうに尋ねた。
 ナルメルは自分の両手をゆっくりと見つめ、そして指先に青い光の粒を集中させた。光の粒はやがて小さな球体となり、彼の手のひらの上で静かに回転し始めた。
「信じられない……これが本来の『キャー』か」
 彼の声には深い感動が込められていた。
「体の内側から力が湧き上がってくる。まるで宇宙そのものと繋がったような……」
 クレオパトラは羨望とも畏怖ともつかない表情でナルメルを見つめていた。
「私の時代には、もうこのような力は失われていた……」
 トトメス3世は興奮を抑えきれずに身を乗り出した。
「私にも頼む、ミハエル! この力を!」
「もちろんだ」
 ミハエルが装置をリセットし、再び青い光が脈動し始めた。
「君の番だ、トトメス3世くん、イメージしてね……『わたしは宇宙。すべてはわたし』……マアトを。それをイメージしやすい2人だからこそ、わたしは今ここで選んだんだ」
 トトメス3世は迷うことなく指を装置に置いた。再び眩い光が会議室を満たし、今度は彼の体を変化の波が駆け抜けていく。
「これは……!」
 トトメス3世の声が震えた。彼の体から放射される霊気はナルメルのものとは微妙に異なり、より戦士的で力強い波動を感じさせた。

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