絵は適当に選んだブラックヴァルキリー・カーラ。
プレビュー↓
紀元前4世紀のエジプトでは酒類が禁止されたという記録はない。
紀元後は禁止されているが。
古代エジプトではワインよりビールが広く飲まれており、ビールは労働者の給料としても使われていた。
酒類は紀元前エジプトで社会的な飲み物として存在し、紀元前のエジプトでは宗教儀式にも使われていたのだ。
まぁ、プトレマイオス自体がギリシャというかマケドニア人だったし。
ワインが広まるのも自然と言える。
というわけで、ポニーテール、ブラウス、タイトミニスカートの紀元後エジプトでは色気ありすぎて失礼とみなされる格好の東雲波澄はワインを調達しにミハエルの霊波動で治りつつあるエジプトの宮殿を小走りだ。
「すみませーん。プトレマイオスさまからワインを持ってこいと言われたんですが」
東雲波澄は入口から厨房へ声をかける。
「ああ、はいはい。それはそうと、さっきの何だったのかねぇ」
エジプトの調理員がそうごちる。
さっきの=ミハエルがトトメス3世を霊気飛び蹴りで宮殿ごと根こそぎ吹っ飛ばしたことである。
「さ、さあ」
東雲波澄はすっとぼける。
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オリュンピアスは思いついた。
アンティキティラの機械で自分の息子を呼び出せないか、と。
「ナルメルやトトメス3世呼び出せるのなら、息子にも会えるかもしれない!」
そう叫んだオリュンピアス。
だが、桜雪さゆは、
「それいつ言い出すか待ってたんだけどね。無理よ。死んでから100年は経たないと、神魔召喚プログラムに登録されないの」
ウソである。
(できるけどね。でも眠ったままでいてもらった方が都合がいいの、ごめんねオリンピックさん)
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「わたしは明日本場のパンクラチオン体験してこよーかな~? コロシアムどこだっけ?」
サリサ=アドレット=ティーガーがそんなことを言う。
フィオラはそれを聞いて、
「コロシアムは紀元後よ。紀元後80年くらいだったかな」
「ふーん。でもパンクラチオンしてるとこはあるでしょ? そこいこっかな。わたし抜けてもうまくいくっしょ作戦は」
サリサ=アドレット=ティーガーは行く気だ。
「あんたねぇ…………」
フィオラ=アマオカミはため息をついた。
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青い霊気が崩れた石材を宙に浮かせ、ジグソーパズルのように元の位置へと戻していく光景は圧巻だった。ミハエルの手から放たれる波動は、破壊的な力を持ちながらも、今は創造と修復のために使われている。
「王と将軍の補習授業か」
エウメネスが呟いた。
「古代の知恵を直接学べるなんて、一生に一度の機会だ」
フィオラ=アマオカミはナルメル、トトメス3世、そしてミハエルのやり取りを遠巻きに観察していた。
彼女の目には、歴史的瞬間を見届ける古竜の知恵が宿っている。社会崩壊の方法について語られた言葉の数々―—芸術の堕落、宗教の軽視、家族構造の破壊—―これらはどれも彼女が何度となく目撃してきた文明衰退の前兆だった。
