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パシリ のプレビュー

絵はサリサ=アドレット=ティーガー。アンフィポリスの酒場で食事中。
怖い会議の内容にかぶさって来るので犯人の名前は伏せますー。
こわいかいぎ プレビュー
https://kakuyomu.jp/users/mrwhite/news/16818792438785599054



 幽霊騒動&巨大ロボ騒ぎがあったアンフィポリスの街。夜の街。
 三段フリルスカート、ホワイトライガーの耳、しっぽでかわいいサリサ=アドレット=ティーガーと十二単で優雅な桃色の桜雪さゆは巨大ロボに乗って街を破壊していたマケドニア王カッサンドロスを挟んでアンフィポリスの酒場で座っていた。
 もう500mの巨大ロボはサリサ=アドレット=ティーガーと桜雪さゆに壊されて土に埋まっている。
「おい、パシリ。食べるの中断してワインとってこい」
 ステーキを食べているサリサ=アドレット=ティーガーが言って、カッサンドロスのおケツを蹴り上げる。
「おい、パシリ天パ直せ! じゃなかったパンにつけるジャム取ってこいや! 紀元前4世紀にはジャムあるだろ! 蜜を取って、蜜を使って果実を煮たのがジャムなんだから。ワインにもはちみつ入れてんだろマケドニアのお前ら? はちみつください! はちみつちょうだい! もえないゴミとか虫の死骸とか、魔物のフンとかよこしたらお前食ってやるからな! ふざけた真似するなよ! はやくいけ。
 別にお前の夜ご飯抜きとかしてないだけわたしたちマシでしょ!?
 お前の父ちゃんはまだましだったなぁ毛根は滅んでたけど心は死んでなかった! アンティハゲロス! お前は何だ! カッサンドロス! 虐殺しかできないのか! 根性なさそうな顔してやること陰湿な」
 桜雪さゆがマケドニアの王カッサンドロスにはちみつください! とたかる。
「わたしたち、意味もなくお前にこんな当たり方してないからね? お前の・史実の・行動を鑑みてこんな当たり方してるんだからね?
 ティムールがこの場にいても同じ当たり方してたよティムールに。わたしたち。
 『虐殺野郎は最低』だ!!
 もうちょっと日本の和の心を持てっチューに。みんな仲良く! 一般人もちゃんと生きてるんだからね?
 わたしやさゆがお前みたいになったら、外宇宙からエネルギー波撃って星丸ごと滅ぼすよ!? わかってる?
 星を一撃で消し飛ばすエネルギー波撃たれたいの?
 ほらワイン早く持ってこいやトロくさい王ねーカッサンドロス!」
 サリサ=アドレット=ティーガーが唸る。
「ぐっふううう…………」
 泣いている風で悔しがるカッサンドロス。
 乗っていた巨大ロボまで目の前で粉砕されては、いくら負けず嫌いのカッサンドロスでも大人しくするしかなかった。
 そのテンションのまま酒場のカウンターに行く。
 まあ、巨大ロボ騒ぎで死傷者はそれなりに出たので、王に同情する一般マケドニア人はいない。500mの巨大ロボが街で暴れればそうなる。
「ヒドオオヂョグッテルトヴットバスゾ! マケドニアハオレノモノダー!」
 カッサンドロスが何かを言う。だが、
「あははははははっ」
「一般市民虐殺野郎が何か叫んでる。うける」
 サリサ=アドレット=ティーガーと桜雪さゆは爆笑した。
「ああ、そういえば罰ゲーム考えてなかったね」
 サリサ=アドレット=ティーガーが言う。
「あれでいいんじゃない?」
 桜雪さゆには何か考えがあるようだ。
「アレクサンダー大王の暗殺を自白しろ。オリュンピアスの前で。殺害手口も告白せよ。ってやつ?」
 サリサ=アドレット=ティーガーが言う。
「じゃあ明日の朝出発かな?」
 桜雪さゆがそういい
「そうねえ」
 ワインを飲みつつ、サリサ=アドレット=ティーガーが答える。
 周りでは衝撃の事実に酒場の客がざわつき始める。
「…………」
 カッサンドロスの顔は青ざめていた。



 酒場の空気が緊張でみなぎる中、カッサンドロスは青ざめた顔でカウンターからワインと蜜を持ち帰ってきた。彼の手は微かに震え、かつてマケドニアを支配した誇り高き王の姿はどこにもない。
 サリサ=アドレット=ティーガーはステーキを一口かじりながら、カッサンドロスから受け取ったワインを一気に飲み干した。彼女の金と赤のヘテロクロミアの瞳がワイングラスの向こうで妖しく輝いている。ワインを飲み干すと、コップをテーブルに叩きつけた。
「もう一杯」
 三段フリルスカートの裾が揺れ、彼女のホワイトタイガーの尻尾が左右に軽やかに動く。その動きには危険な獣の優雅さがあった。
 アレクサンダー大王暗殺の告白―—その話題が酒場全体に広がり、周囲の客たちが小声でざわめき始めている。
 マケドニアの民衆にとって、アレクサンダー大王は今なお伝説の英雄だ。彼の死因については様々な噂があったが、カッサンドロスによる暗殺というのは驚くべき告発だった。


(中略)


「アレクサンダーに毒を持ったのはエウメネスだ! やっぱりアイツは信用できなかった。マケドニア人じゃない、外人だからな! 僕は何もしちゃいない!」
 カッサンドロスの往生際の悪さが出た。その場でそれを信じる者など、誰もいなかった。
「往生際が悪い! 年貢の納め時だって事雰囲気でわからないの……?」
 サリサ=アドレット=ティーガーがホワイトライガーのしっぽをカッサンドロスの首に巻き付ける。まだ締め上げてはいない。力は入れずに。
「アレクサンダーの苦しみ方、歴史書に記されているの見たら、あれ梅蕙草(バイケイソウ)の苦しみ方だよね。下界の肉人形は騙せても自然と親しいこの雪女様は騙せないっつーの!」
「な、なんで、そこまで…………」
 青ざめた顔でうなるカッサンドロス。だが、
「調合したのは僕じゃないぞ! アレクサンダー大王に殺意を持って調合したのはXXXXXXXだ!! これは嘘じゃない! 本当だ!」
 必死に叫ぶカッサンドロス。
 衝撃の事実に酒場全体が静まり返る。
「……………………」
 桜雪さゆやサリサ=アドレット=ティーガーまでも衝撃の事実に言葉を失う。
「……………………マジで? でもXXXXXXXはアレクサンダーより早くに亡くなったんじゃ……あれ、アレクサンダーが先だっけ? どっち?」
 サリサ=アドレット=ティーガーが、それだけをやっと口から出す。
「マジだ! これは大マジ! アレクサンダーの方が早く死んだ! ワインに入れたのは僕だけどな……でも薬はXXXXXXX製だ。
 XXXXXXXは自分が先に死んでも成功させるように死ぬ前にアレクサンダー大王を殺す目的で毒物を量産していた! そして自分以外の誰かで実行してくれる人を東征メンバーで探していたんだ!
 XXXXXXXの甥でXXXXXXっていたんだけど、これは反逆罪に問われてアレクサンダーに処刑されているんだ。
 アレクサンダーのペルシアとの融和政策に反対したということが理由とされている。
 彼は特にギリシャがペルシアよりも上だと考えていて、ペルシア文化を導入するを反対して殺された。ヘレニズム反対派だった。
 XXXXXXはアレクサンダー大王に自分の国マケドニアとギリシャを尊重するよう意見を述べていて、どちらも引かなかったんだ。それで起きた悲劇だ。
 それをXXXXXXXは恨みに思っていた。
 だからXXXXXXXはアレクサンダー大王暗殺にバイケイソウを用いた。
 XXXXXXXXXは人間はポリス的動物であるといった、でもほかでもない、XXXXXXXアレクサンドロスがポリス的世界を破壊し世界帝国を作った。これにもXXは思う所があった。

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