https://kakuyomu.jp/works/1177354054882746106/episodes/2912051598575744998【あらすじ】
深い眠りの底で、セフィールは『本来の運命(幻定正史)』を辿ったもう一人の自分と対峙する。泥に汚れた白い法衣とボロボロの黒いコートを纏い、狂気的な愛に囚われた幻の彼女から、セフィールは「彼と共に泥濘へ堕ちた痛みと、彼に愛された記憶、そして新しい命の温もり」を真っ直ぐに受け継ぐ。「誰かの代わりではなく、わたし自身として彼を幸せにする」という力強い誓いを聞き届けた幻の彼女は、すべての呪縛を抱えたまま、憑き物が落ちたような美しい笑顔を残して光へと溶けていった。 迷いを完全に振り切り、王女としての誇りを取り戻したセフィールは、翌朝、ユリアと微笑ましくも熱い恋の牽制を交わし、レリュートに決意の笑顔を向ける。人類の団結を見届けた英雄たちは、ルベルを討つため、残る『十二の神器』を求めて新たな旅立ちの準備を始めるのだった。
【執筆メモ】
いつもお読みいただき、ありがとうございます。 今回は、ルベルに見せられた『本来の運命(幻定正史)』のセフィールとの精神世界での邂逅を描きました。
過酷な泥濘の中でレリュートに寄り添い、彼の子を宿した「もう一人の自分」の重すぎる記憶と想い。それを現在のセフィールが真っ直ぐに受け止め、過去の呪縛から彼女を救済し、同時に現在の自分自身も迷いを断ち切って救済されるという、セフィールにとって非常に重要な魂の救済回となっています。 彼女がボロボロの黒いコートを羽織り、リボンを解いていた理由など、ビジュアル面での悲壮感や裏設定も感じ取っていただけたら嬉しいです。
さて、この第119話をもって、長かった第10章「世界会議と束の間の休息」も無事に終了となります。 シリアスな会議からドタバタなラブコメまで、色々なことがありましたが、ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました。
次回、第11章からは、神を討つための力を求めて、世界に散らばる『他の神器』を探す新たな旅が始まります。 これまで以上に熾烈な「戦闘」はもちろん、ヒロインたちとの「恋の駆け引き」もさらに多く、熱くなっていく予定です。
……ただ、ここから先の文章はまだ全く書き溜めていない状態ですので、今後の更新は少し遅めになるかもしれません。 なるべく早く続きをお届けできるよう頑張りますので、気長にお待ちいただければ幸いです。 第11章からも、『メルトラーム英雄物語』を引き続きよろしくお願いいたします。