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五季

私たちは普段「春・夏・秋・冬」の四季を感じながら暮らしています。
でも薬膳の世界では、ここにもうひとつ「長夏(ちょうか)」という季節を加え、五季 と呼びます。
それはなぜか?
人間の体も自然の一部だからです。
気候が移り変わるとき、私たちの臓器や心の働きにも必ず影響が及びます。
そのリズムを理解し、食べ物や過ごし方を少し工夫することで、体調を大きく崩す前に整えることができるんです。五季を暮らしに取り入れるということ。

🌸 春(木:肝)
エネルギーが一気に芽吹く季節。
「肝(かん)」が活発になり、気や血の流れをスムーズにしてくれます。
でも行き場のないエネルギーが溜まると、イライラや目の不調に。
→ 酸味(梅、柑橘、酢)で気の流れを調えましょう。



☀️ 夏(火:心)

陽気がピークを迎える季節。
「心(しん)」が働き、血流と精神活動を支えます。
でも暑さで火照ると、不眠や口内炎、熱中症に。
→ 苦味(ゴーヤ、緑茶、セロリ)で余分な熱を冷まして。



🌦 長夏(中央:脾)

梅雨から初夏にかけての、湿気が多く体が重だるくなる時期。
「脾(ひ)」=消化吸収の臓器が疲れやすくなります。
→ はと麦や冬瓜、小豆などで“湿”を取り除くのが鍵。



🍂 秋(金:肺)

空気が乾き、呼吸器や皮膚が影響を受けやすい季節。
咳や肌荒れ、便秘が出やすくなります。
→ 梨や白きくらげ、蜂蜜で潤いを補いましょう。



❄️ 冬(水:腎)

生命エネルギーを蓄える季節。
「腎(じん)」が弱まると冷えや腰痛、免疫力低下が。
→ 黒豆や昆布、羊肉、生姜などで温め、腎を養います。


人間の体も自然の一部だからです。
気候が移り変わるとき、私たちの臓器や心の働きにも必ず影響が及びます。
そのリズムを理解し、食べ物や過ごし方を少し工夫することで、体調を大きく崩す前に整えることができるんです。五季を暮らしに取り入れるということ

薬膳の五季は「特別な食事法」ではなく、
季節と仲良く生きるための知恵 です。

自分の体調の揺らぎを「季節のリズム」と重ねて見てみると、
「ああ、今の不調は春の肝のせいかも」
「秋だから喉が乾きやすいんだな」
と気づけるようになります。

そうすると、不安が減り、食べ物や生活習慣を通して
自分をやさしく整えることができるんです。

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