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静かに、猫星へ向かう背中を想う

実家の猫が、高齢のため体調を大きく崩しました。
ついに立ち上がることもできなくなり、
今日は実家へ、最後に顔を見に行くことになりました。

もともとその子は、同じ母を持つ兄弟猫と一緒に、
かつて店の「店長猫」として暮らしていました。
けれど店が閉じてしまい、行き場を失ってしまいます。

それを見かねた姉が引き取ろうとしたものの、
当時の実家にはすでに別の猫がいて、
完全には迎えられず、会社で世話をする形になりました。

善意からの選択でしたが、
忙しさの中で水を替えられない日もあり、
そのことを姉は長い間、悔やみ続けていました。

その後、実家の先住猫が猫星へ旅立ち、
ようやくこの二匹が家に迎えられた頃には、
すでにそれぞれ体に不調を抱えていました。
まだ五歳だったのに、です。

それでも――
その子は十六歳まで、生きてくれました。

決して丈夫な体ではなかったけれど、
それでも、ここまで一緒にいてくれたこと。
その「生きよう」とする時間に、心から感謝しています。

私が実家を離れ、
アーサー女王とマーリンと暮らすようになってからも、
帰省するたびに、その子はちゃんと姿を見せてくれました。
あれは、迎えてくれていたんだと思います。

ありがとう。
本当に、ありがとう。

どうか、あまり苦しまないで。
静かに、穏やかに、
猫星へ帰れますように。

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