今回の標的は、世界的美術商エティエンヌ・グリモー。
“芸術の守護者”と称されながら、裏では若き才能を囲い込み、
夢と尊厳を削り取ることで成り立っていた男です。
この話で描きたかったのは、
「悪は最初から悪だったのか?」
「理想が歪んだとき、人はどこまで正義を失うのか?」
という問いでした。
贋作よりも価値を持つ“本物の嘘”。
光を失った肖像画が突きつけるのは、断罪ではなく沈黙です。
ZEROは裁く存在ですが、
同時に“次に描く手”を静かに守る存在でもあります。
その余韻を感じていただけたら幸いです。