※※ はじめに ※※
この小部屋を見つけてくださって、ありがとうございます。
こちらは、わたしがkou様の作品を読ませていただいたときの、感想などを綴っているお部屋です。
今回はこちらの作品です。
『七夕夜行と、五色そうめん』 kou 様
https://kakuyomu.jp/works/2912051603924553748※※ 以下、ネタバレを含みます ※※
(この感想を書いている時点の最新話は『第13話 時間稼ぎ&尺稼ぎ』です)
⚫︎ 渋滞中につき、優先道路を設置いたしました🛣️
前回の『七夕夜行と、五色そうめん』【感想のお部屋】その2は、第3話と第4話を書かせていただいたので。
本来ならその3は、第5話から。
なんです。
はい。そうなんです。わかっているんです。
…………。
でも。
ちょっと今回は、最新話の第13話を先に行かせてください!!
だって……。
とんでもなく、おもしろかったんだもん✨
⚫︎ 蓮くんだって、そりゃあ怖い
第13話冒頭の描写。闇の巨獣は、どう考えても怖いです。
黒い瘴気。
皮膚の感覚を失わせるほどの冷気。
腐敗臭。
一本角から走る雷光。
そして、その無数の赤い目がロックオンしているのは――蓮くん一人。
その状況で、
蓮は今にも逃げ出したい気持ちを、気力で抑えていた。
(第13話より)
とあります。
ずっと笑い転げながら読んだ第13話なのですが、その笑いの土台にあるのは、実はこれなんですよね。
蓮くんは、余裕があるからふざけているわけではない。
怖い。ものすごく怖いんです。
でも、灯里さんたちが突破するまで、この巨獣を自分がここへ留めておかなければならない。第11話から第12話にかけて、言っちゃったんだもの。
「戦う力がない俺が、囮になる」
逃げたい自分を、自分で押さえ込んで。
そのために彼が選んだ方法が――
⚫︎ 白鳥に、俺はなる!
(やるしかない。『聖闘士星矢』で見た、あの白鳥の舞を……!)
蓮は、おもむろに両手を左右に大きく広げた。
そして、驚くほど滑らかに、キレのある動作で両腕をパタパタと翼のように羽ばたかせ始めた。
(中略)
蓮はすっと片足を上げ、軸足の一本だけで、信じられないほど美しいバランスを保ったまま静止してみせたのだ。
さらに、天に向けて、鋭く重い拳を「ドガッ、ドガッ!」と口で効果音を再現しながら二発、繰り出す。
(第13話より)
正直に申しましょう。
わたくし、人生で聖闘士星矢を通ってこなかったので、すぐにはわからず
youtubeで検索しました。
『キグナス氷河 ダイヤモンドダスト』と……。
そうしましたら
両腕を大きく広げて、白鳥の翼のように動かし。さらに片足立ち。
天へ向けて拳を二発。
しかも、「ドガッ、ドガッ!」
うわーーー✨
そのまんまだ!
すごい!kouさん
今読んできた13話がそこにありました!
うわぁ、これなんだ!って笑
口で効果音っていうのも、めちゃくちゃツボでした。
怪異の側から見たら、そりゃ怖いですよね。ただでさえ「見鬼」の力を持つ少年が、突然、一切のブレなく片足で立ち、得体の知れない美しい型を始めた。
しかも目は金色に光る。
巨獣からすれば、「な、何か来る……」ですよ。
いやぁ、この巨獣さん。いい人だなぁ。信じやすい!素直な巨獣さんなんですね🐕
実際は、来ません。
蓮くんの大いなる“ハッタリ”です。
⚫︎ でも、“ただのハッタリ”ではなかった
ここで【ルーティーン】について、かなりしっかりと解説をしてくださっています。
スポーツ選手が、重要な局面で決まった動作を行うこと。
雑念を減らし、成功するイメージを固め、不安を抑え、集中力を高める。
タイガー・ウッズ、マイケル・ジョーダン、イチロー、五郎丸歩さんまで出てきました。
最初は、
「キグナス氷河の白鳥の舞を、そこまで科学的に解説するんだ笑」
と思っていたのですが。
読み進めてみると、ここ、意外と重要なのですね。
なぜなら蓮くん自身、恐怖でいっぱいだから。
kouさんが笑いに落としてくれてるから、思わず笑って読み進めてしまいますが。
巨獣を騙すためだけではなく。
片足を上げ、姿勢を決め、決まった動作をする。
それによって、自分自身の恐怖まで抑え込んでいるようにも見えました。
灯里さんとの毎朝の特訓で鍛えられた体幹が、ここでまさかの、
必殺技を出さないための必殺技
に役立つとは。
いやぁ、人生、何が役に立つかわかりません。
灯里さんがそれを知ったら、どーよとばかりに、どこまでものけぞってしまいそうです。
⚫︎ 一歩も動いていないのに
そして、とてもおもしろかったのが、
蓮くん、実はこの回、ほとんどその場から動いていないんですよね。
片足立ちして、白鳥になって、パタパタして、巨獣と睨み合う。
目的は、“時間を稼ぐこと”
普通なら物語の中で「動かない」というのは、進んでいないように見えますが、
この場面では、“動かないことそのものが、前へ進むための行動”になっている。
灯里さんたちを先へ進ませるために。
蓮くんは、その場に留まる。足踏み――どころか、片足ですけれど。
その「止まっている時間」が、ちゃんと仲間たちの先へ進む時間になっている。
なんだか、ここが妙に心に残りました。
⚫︎ ここに白鳥がきた意味
無駄に長いルーティーンの代表格として、『キグナス氷河のダイヤモンドダスト』を選ばれたのだと思いますが。
キグナス - 白鳥 - デネブ
あーーーー! 夏の大三角!
kouさん、うますぎます✨
作品タイトルは『七夕夜行と、五色そうめん』
天の川を挟んでの七夕様、アルタイルとベガ。
それを結ぶ夏の大三角の、残りの星・デネブ。
デネブは白鳥座。
『キグナス氷河のダイヤモンドダスト』の配置、圧巻でした!
⚫︎ そして始まる、ドラゴンボールZへの切実な祈り
白鳥のポーズを維持しながら、蓮くんが考え始めます。
ここからがもう。
大好きです(*´艸`*)
(あークソッ! これがアニメの『ドラゴンボールZ』だったら、俺が「はあああぁっ!」って気を溜めてる(マネ)だけで、地面から岩がゆっくり浮き上がったり――)
(第13話より)
わかる!!!
いや。ものすごく、わかる!!!
「はあああぁっ!」だけで続く時間。
悟空の「あ、あ、あ、あ、あ、あ」だけで終わる回。
ゴゴゴという音と共に揺れる大地。
ゆっくり浮き上がる岩。
驚くギャラリーとモブキャラたち。
遠く離れた(ブルマ✨)場所の人たちのリアクション。
差し込まれる回想シーン。
また本人。またギャラリー。
そして、来週へ続く。
も、全然進まないの笑
視聴するの2週間に1回でも全然ついていけます笑
『天の川結界崩壊まであと5分』→ フリーザ様のナメック星消滅まであと5分ですね笑
『清武蓮、死す』→ 「ヤムチャ、死す」ですね笑
先に言っちゃ、だめーーーー!笑
あぁおもしろい!!
しかも蓮くん、
『ドラゴンボールZ』は全291話。原作通りにした『ドラゴンボール改』は全159話。132話も引き伸ばし&時間稼ぎをしてるんだぞ。
そこまで計算するの笑 というか、そうなんだ🤭
でも蓮くんにとっては、これはアニメ演出への文句ではなく。
切実な願い、なんですよね。
その引き伸ばされた一秒一秒が、自分の命に、切実に関わってくるんですもの。
⚫︎ アニメ時間と、現実時間
そして、ここで急に笑えなくなる。
……ああっ、でも現実のこの時間、ただのTシャツ姿の中二が夜の神社で怪しく片足立ちしてるだけで、引き延ばされてる時間はイコール俺のリアルな寿命カウントダウンなんだよ!!
(第13話より)
そうなんですよ。
アニメなら。「はあああぁっ!」で30分使える。
でも。蓮くんの時間は、本当に一秒ずつ進んでいる。
そして、その一秒ごとに体力も削られる。
恐怖も増していく。片足立ちの筋肉だって、いくら鍛えてるとはいえ、プルプルします。
あぁ、そう考えると。
聖闘士星矢の作者は「車田正美」さん、ですね。
「一場面がなかなか進まない」でいえば、ここでこの作家さんを持ってきたのも、すごいですね。
『リングにかけろ』というボクシング漫画も、
一つのパンチがなかなか決着しないような、ものすごく濃密な時間の使い方をすると、どこかで読んだ記憶があります笑
聖闘士星矢も、そんな感じなのかしら。
⚫︎ もっといい時間稼ぎのお話がありますよ!
ここまで読んできて。
わたし、蓮くんへちょっとお伝えしたいことができたので、
今、蓮くんの脳に直接呼びかけたいと思います。
「清武蓮くん、聞こえますか? 片足だちしている、そのあなたの脳に直接呼びかけています。」
「え? 何?誰?」
「誰かは今はいいのです。それより今は時間がない。
そんなあなたに、聖闘士星矢やドラゴンボールより、もっと時間稼ぎが得意なお話がありますよ!」
「ほ、本当ですか!?」
「ありますあります」
「なんていう作品ですか? 俺、検索します!」
「えっとね」
「はい!」
「それは、kouさんの
『アンドロイドはしm――。あ…………」
「?? どうしたんですか?」
「あ、いや。その。 えっと、蓮くん?」
「はい?」
「君……中学生だったよね?」
「はい! そうです!」
「…………」
「早く教えてください! 俺、今も片足立ちでプルプルなんです!」
「ご、ごめん!!!!」
🐰💨💨💨💨
「…………」
「……今のは。な、なんだったんだ……」
…………。
ごめんね、蓮くん。
『連載開始から1年になろうかとしてるのに、【8話から42話で“数時間しか経っていない”】。
それだけ、ナナさんと健司さんのひとときが丁寧に描かれているんだもの。(8話からなのは、ナナさんが健司さんの家に到着してるから)
今の蓮くんには、これ以上ない、うってつけの作品を紹介したかったの』
しかし。タ、タイトルの文言さえも言えなかった…。
君にはまだ早い、よね?
やっぱり聖闘士星矢とドラゴンボールでがんばってください。
⚫︎ 「尺稼ぎ」なのに、ちゃんと物語が進んでいる
今回・第13話のタイトルは、『時間稼ぎ&尺稼ぎ』です。
蓮くん自身が時間を稼いでいる。
そして本文そのものも、アニメの「尺稼ぎ」をこれでもかとネタにしている。
でもおもしろいのが。
これだけ盛大に「進まないこと」を描いているのに、第13話を読み終えると、ちゃんと何かが進んだように感じることです。
蓮くんは、巨獣をその場へ留めた。仲間のための時間を作った。怖いのに、逃げなかった。
そして、恐怖に震えている自分まで、その舞の一部へ変えてしまった。
もちろん、全身は恐怖でガタガタと震え、額からは冷や汗がだらだらと流れているが、その極限の緊迫感こそが、舞の鬼気をさらに高めていた。
(第13話より)
ここ、好きです。
怖くなくなったから勇敢なのではない。
怖い。震えている。汗も止まらない。
でも、その震えさえ使って相手を騙す。
蓮くん、すごい!
⚫︎ 足踏みしていても
第13話を読みながら。
「進む」ということについて、少し考えていました。
どんどん先へ行くことだけが、「進む」ではないのかもしれません。
誰かを先へ行かせるために、自分はそこへ留まること。タイミングを待つこと。
踏み出せるようになるまで、その場所で持ちこたえること。
外から見たら一歩も進んでいなくても。
その時間が必要なら、それも、ちゃんと物語の途中なのですね。
ましてや蓮くんの場合は、片足立ちです。
それでも、ちゃんと前へ進むための時間を作っている。
第13話の「時間稼ぎ」。
笑いながら読んだのに、最後にはそんなことまで考えていました。
⚫︎ おわりに
ということで。
本来、第5話から始めるはずだった【感想のお部屋】その3。
いきなり第13話までワープしました。
……。
自分で書いておいてなんですが、すごい飛びましたね。
でも、渋滞しているところへ、どうしても先に通したい一台がやってきたのだから仕方ありません。
そう! まさに今回の蓮くんは、緊急車両だったのです。
近づいて、通り過ぎて、ドップラー効果まで残していきました。
では、また『感想のお部屋』でお会いいたしましょう👋
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
kou様へ
第13話。もう、笑わせていただきました!
蓮くんも、先に行かせた仲間たちも命がけの場面なのに汗
白鳥の舞。片足立ち。聖闘士星矢。ドラゴンボールZ。
そして、アニメ史に残る(?)壮大な尺稼ぎへの切実な願い。
これだけ笑わせていただいたのに、
根底にあるのは、蓮くんが怖くて仕方がないのに、仲間のためにその場へ残っている
ということなのですよね。
そこが、とても好きでした。
「時間稼ぎ」というと、少し後ろ向きな言葉にも聞こえます。
何かを解決しているわけでもない。
目的地へ近づいているわけでもない。
でも今回の蓮くんは、自分がその場所に留まることで、灯里さんたちが進むための時間を生み出している。
だから、
『止まっていることが、進むことにもなる。』
そんなふうにも感じました。
そして、ルーティーンについての解説も、とても興味深かったです。
白鳥の舞は巨獣を騙すハッタリでありながら、恐怖でいっぱいの蓮くん自身が、自分を保つためのルーティーンにもなっている。
怖くないから戦えるのではなく。
怖いまま、震えたまま。
それでも、そこに立っている。
蓮くん。ものすごくがんばってます。
小鹿ちゃんのビートを足に刻みながらの、蓮くんの宣言。本当にかっこよかった。
……ただし。
『アンドロイドは下ネタの夢を見るか?』を時間稼ぎの参考資料として薦めるのは、やめておきました。
中学生でした。危なかった。
そして。
今回、本来なら第5話から感想を進めるところを、どうしても第13話を先に書きたくなってしまいました。
一歩進んで二歩下がるどころか、一気に八話ほど飛び越えてしまいました。
でも、以前に、
「一歩進んで二歩下がる『感想のお部屋』、大歓迎でございます!」
と言ってくださっていたので。
今回はそのお言葉に、思い切り甘えさせていただきます🤭
第13話、とても楽しかったです!
足踏みしているように見える時間も、ちゃんと意味があること。
次はどこへ進むのか。自分でもわかりませんが笑
「足踏み」といえば。
わたしは「トルネコ」のゲームを思い出してました。
次の階へ降りる前にお腹を満たしておきたいのだけれど、中途半端に満腹度が残ってる場合、足踏みして満腹度を0%にしてから大きなパンを食べるとか、
敵にわざと近づかせるために足踏みしたり。
そんなことを思い出してました。
また続きを楽しみにしております。
今回も、楽しいお話をありがとうございました。
kouさんのお話連投に嬉しくなって、わたしも【感想のお部屋】を連投してみました🤭