いつもご拝読ありがとうございます。
おかげさまで、物語も一つの節目となる第10話まで到達いたしました。
今回の更新では、主人公クルトが現代のサラリーマンとして培ってきた「処世術」と、戦場の「狂気」が完全に癒着した姿を描きました。
■ 「悲しみ」もまた、コストである
第10話でクルトが見せたのは、仲間の死を前にして「表面上は適切に悲しみ、内面では即座に損益計算を行う」という、極めて事務的な適応です。
私自身、長年社会人をやっておりますと、現場でのトラブルや人員の欠員を、どうしても「感情」ではなく「リソースの管理」として捉えざるを得ない瞬間があります。その、会社員なら誰しもが心の片隅に持つ**「冷徹な合理性」**を、ワルシャワという極限の地獄に放り込んだらどうなるか。それが本作の大きなテーマの一つです。
■ 今後の執筆方針について
これまで、手紙の代筆や略奪品の鑑定など、クルトは「便利な事務職」として生き延びてきました。しかし、第10話を境に、彼は感情を「全額損金処理」した、真の意味での**「地獄の会計士」**へと変質していきます。
• 降り積もる灰の感触
• 逃げ場のない夏の熱気と腐敗臭
• 組織(ディルレヴァンガー隊)が崩壊していく中での、乾いた人間関係
これらを、「現場視点」で、これからも生々しく綴っていこうと思います。
■ 読者の皆様へ
物語はここから、さらに混迷を極めるワルシャワの深淵へと突き進みます。
「まともな人間」であることを辞め、最も効率的な「獣」として生存を最適化し始めたクルトの行く末を、どうぞ最後まで見届けてやってください。