新連載を開始いたしました。
タイトルは**『バベルの焦土 ―カミンスキー旅団、通訳兵の絶望―』**です。
■歴史の闇「カミンスキー旅団」を舞台に
本作の舞台は、第二次世界大戦の東部戦線。
ナチス・ドイツの軍服を着ながら、その実態は略奪と暴虐の限りを尽くしたロシア人義勇兵部隊「カミンスキー旅団」です。ドイツ軍からさえ「制御不能の害獣」と蔑まれ、歴史の表舞台から消し去られた実在の部隊をモデルにしています。
■「多言語」という呪い
主人公は、現代からこの最悪の部隊に転生してしまった一人の兵士。
彼は複数の言語を操る能力を持っていましたが、それが地獄の引き金となります。
• ドイツ軍が自分たちを「使い捨てのゴミ」として扱う計画を、盗み聞きしてしまう。
• 略奪される民間人の悲鳴を、完璧に翻訳できてしまう。
• 共に戦う東方義勇軍の少年たちに、「死への命令」を伝えなければならない。
言葉が通じるからこそ、逃げ場のない絶望が深まっていく。
歴史の濁流の中で、良心を削りながら歩む通訳兵の姿を、リアリティと残酷さを込めて描いていきます。
■読者の皆様へ
救いという言葉が一切似合わない、非常にハードな物語になるかと思います。
ですが、極限状態における人間の本質、そして「言葉」という武器がどれほど無力で、かつ残酷なものかを描き切りたいと思っています。
まずは第1章、泥濘の撤退戦から。
皆様の感想や応援が執筆の大きな励みになります。ぜひ、この地獄の行進に最後までお付き合いいただければ幸いです。