作者の圧倒的ひいきにより、アーロン祭り開催中です。
実は、全編通して一番難しかったのが、このアーロンの内面を描いた「顔」でした。
昊天とアーロンは、ネクサス事業を通じてビジネスパートナーを超えた「戦友」となり、彼はいま、友が手に入れた幸せを心から祝福している。しかし、恋する昊天の顔をみて、自分の人生これでよかったのだろうか、とふと疑問がよぎるというシーン。
シンガポールの名門大を卒業して政府系投資会社から独立、というエリートの王道を歩み、学生時代からの気心の知れた妻との間にかわいい娘もいる。オーチャードの近くにコンドミニアムも手に入れた。対等なパートナーである妻との関係も、合理的で、成熟していて、非の打ち所がない。
そんな人もうらやむ「完璧」な人生。それは本人もわかっているし、この幸せを壊すつもりもない。
でも、「正解」から外れた熱を帯びている昊天の顔を見てしまった。「自分は一度でも、あれほどまでに理性を失うほど何かを、あるいは誰かを求めたことがあっただろうか」と、自分の完璧な人生がどこか乾いたものに感じてきて、違う幸せもあったのではないか、と夜景を見ながら思う。しかしそれを恥じてすぐに「くだらない夢」として処理し現実の暮らしに戻る。
しかしこういう微妙な感情ってAIには理解しにくいみたいなんですよね。創作会議でめちゃくちゃ喧嘩しました。AIはすぐに嫉妬とか家庭への不満とか隠れた欲望とかそういう方向にもっていきたがる。人間の感情というのはそんな単純なものではないのに。
たぶんAIにはこころからの友達や愛する人がいないからなんでしょうね。まだまだ人間ができることはたくさんありそうです。
ちなみにこのアーロンの横顔、作者のスマホの待ち受けになってます笑
