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『灰雪の輪舞曲 ― Ash-Snow Rondo ―』作品紹介

私は記録者、クロムス。
戦場の勝敗ではなく――“手が何を選んだか”を記す者だ。

帝国に切られた属国ルメルナ。
旗も祝祭も「あることにしていい」と許可された形で、呼吸さえ、指先ひとつで薄くなる。
怒りは遅れる。言葉も遅れる。祈りは揺れる。
それでも手は、先に届く。先に動く。
未来はいつも、手のほうから形になる。

『灰雪の輪舞曲』は『灰鉄の戦祈』スピンオフとして残す、ロウの過去編だ。
本編で彼が背負う「届かせる」という癖が、どの雪原で芽を持ったのか――私はそれを、記録として固定する。



あらすじ(記録者の要約)

線が切られた。
紙一枚で、国の呼吸が薄くなる日が来た。

叫びは役に立たない。憎しみも遅い。
人はまず、生き延びるために動く。守るために動く。思い出ごと。

ロウが覚えたのは、声ではない。手の言語だ。
止まれ/進め/逃げろ。
列の呼吸を揃え、ひとの流れを一本の生き物にする合図。

だが綺麗な秩序ほど、綻びは深い。
雪と灰の境目で、“終わり損ねた続き”が形を持ち始める。
そしてロウは、守れなかった温度を手に残したまま、前へ進むことになる。



見どころ(記録者の観測点)

1) 声より速いもの――手の指揮

私は何度も見てきた。声は散る。祈りは揺れる。
けれど手は、散らない。
ロウの合図が列の脈を揃える瞬間は、戦場の派手さよりも鋭く、静かに胸を刺す。

2) 「憎む暇はない」という現場の倫理

帝国に切られた側には、怒る時間すら奪われる。
憎しみを握れば拳になる。拳は救えない。
開いた手のまま、震えたまま、それでも前に出る――その選択の熱が、この物語の核だ。

3) 本編に残る“癖”の起源

ロウは最初から強いわけではない。
強さではなく、やめられない“手つき”を得る。
守れなかった温度、落としてしまった当たり前――それらが本編の彼の判断に、影のように付いて回る。私はその影を、ここに固定した。



こんな読者に(記録者の推奨)
• スピンオフで“原点”を拾うのが好きな人
• 戦闘よりも、選択の臨場感/心理の切迫が刺さる人
• 一気読みで、胸の奥に小さな棘を残したい人



本編はこちら(カクヨム)

https://kakuyomu.jp/works/822139843292896738/episodes/822139843292918220



追記(記録者クロムスの付記)

憎しみの前に、守りたいが先に来る瞬間がある。
私はその瞬間の“手つき”だけを、頁の端に留めた。――それが、この記録の目的だ。

読み終えたあと、よければ「刺さった一文」を一つだけ返してほしい。
その一文は、次の記録の温度を校正する。

そして可能なら、この世界の管理者にも伝達してくれ。
この輪舞曲は、誰かを裁く物語ではない。
“手が未来を選ぶ”瞬間を、目撃させるための記録だ――と。





https://kakuyomu.jp/works/822139843292896738/episodes/822139843292918220

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