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『灰鉄の戦祈(アイアンリクイエム)』序章&第一話について

https://kakuyomu.jp/works/822139840684464758/episodes/822139840694687547

新作
『灰鉄の戦祈(アイアンリクイエム)』
の、序章と第一話を公開しました。

世界の“鼓動”をめぐる灰鉄塔と、
その下で生きる少年カガリを中心に、
三十三年続いた戦役の末期を描く戦記ファンタジーです。



◆ 序章と第一話でやったこと

序章では、
時の観測者クロムスの視点から、
• 「灰鉄戦役とは何か」
• 「四人の英雄とは誰か」

が、**“墓標代わりの戦記”**として語られます。

第一話では、
• 灰鉄塔アストラの下で育った少年兵・カガリ
• 八歳のとき、塔に触れて“誰かの最期の鼓動”を聞いてしまった過去
• それ以来、塔を「嫌い」と言いながら、目を離せなくなっている今

を中心に、塔下の日常と違和感を描きました。

これから先、
カガリたち第十三小隊《スノウライン》は、
塔の麓だけでなく、塔と塔をつなぐ“線”の上に半歩踏み出していきます。



◆ 人物紹介(序章〜第一話時点)

■ カガリ
灰鉄塔アストラの下で育った少年兵。
幼い頃、塔に触れたときに“誰かの最期の鼓動”を聞いてしまった。
塔が好きなのか嫌いなのか、自分でも掴めないまま軍に志願し、
第十三小隊《スノウライン》として塔の麓を守っている。

■ ユラ
カガリと同じ小隊の射手。
怖いものは「怖い」と言えるタイプで、意外と折れにくい。
塔や残響の話になると、たまに核心を突くことをさらっと言う。

■ シン
第十三小隊の通信兵。
お調子者で皮肉屋。
カガリとユラの空気を勝手に誤解して茶化してくる、ムードメーカー。

■ デイル小隊長
第十三小隊の隊長。
だらしなく見えるが、目だけは前線に置き忘れてきたみたいに鋭い。
カガリの“塔に対する反応”を、さりげなく気にしている気配あり。

■ クロムス(時の観測者)
序章の語り手。
前線を渡り歩いて戦争を“記録”するフロントリコーダー。
四人の英雄の鼓動を記録しながら、灰鉄戦役の全貌を描こうとしている。

※ 序章には、名前だけですが
ノア/ロウ/セラも登場しています。



◆ 国と勢力のざっくり説明

■ 灰鉄国《アストラ灰鉄王国》
灰鉄塔アストラの下に成立した国。
塔は災厄封じと生活インフラの両方を担っており、
国民にとっては“日常の中心”にある存在。
カガリたちの所属国です。

■ 帝国《ヴァルドリア帝国》
複数の塔ラインを“平定”の名のもとに統一管理しようとする大帝国。
「塔の管理権は帝に集めるべき」という思想を掲げて各地に圧力をかけています。
序章で名前が出たノアや、エイルが所属している側。

■ 小国《ルメルナ公国》
かつて原灰鉄塔のひとつを持っていましたが、
戦役初期に塔と領地を奪われた地域。
ロウの故郷にあたる場所です。

■ 教団《残響教団エイディーン》
大地の下を走る“世界の鼓動”――残響脈(エコーライン)と、
灰鉄塔の起源を知る宗教勢力。
各地の塔を祈りと監視の対象として見つめ続けています。
序章に登場したセラが所属。



◆ 世界観の基礎ワード

■ 残響脈(エコーライン)
大地の下を走る“世界の鼓動”。
これを無理に引き出したことで、過去に大きな災厄が発生しました。

■ 灰鉄塔(かいてつとう)
骨と血を灰と鉄に変えて積み上げた封印塔。
災厄を鎮め、街を守るために建設された存在で、
塔の内部には“誰かの最期の鼓動”が封じられています。

■ 灰鉄戦役(かいてつせんえき)
塔・残響脈・管理権をめぐって起きた三十三年におよぶ大戦。
「どの側にも、それぞれの正しさがあった戦争」として語られています。



◆ 最後に

序章〜第一話は、
**“塔の影の下で暮らす人々の目線”**から始まっています。

ここから先、
カガリたち第十三小隊《スノウライン》は、
塔の下だけでなく、
塔と塔を結ぶ雪原のラインの上に足を踏み出していきます。

灰鉄塔を守ろうとする者。
塔を奪い返そうとする者。
塔そのものを罪だと言う者。

そのどれでもない場所にいる、
「塔の下の少年兵」が何を選ぶのか――
少しでも気になったら、序章と第一話だけでも覗いてもらえたら嬉しいです。



――おまけ。
灰鉄塔の下に立つ、ひとりの少年兵の姿を置いておきます。
この顔と、この背中を、灰鉄戦役の入口として覚えてもらえたら。

第十三小隊《スノウライン》所属・カガリ。
塔になる前に、“自分の一撃”を選ぼうとしている少年兵です。

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