「明治小説」を含む小説

新選組隊士・中島登は、箱館戦争において朋友・土方歳三を喪い、その同じ日に、心友だった新選組最後の隊長・相馬主殿に妻子を惨殺され、すべてを失った。 それから五年後の、明治七年。 …

1891年、明治日本。大津で起きた一つの衝撃的事件が、国の外交と内政を揺るがす――。 ロシア皇太子ニコライが警察官・津田三蔵の刃に斬りつけられたその瞬間、国家は未曾有の危機に直…

明治という新しき時代。東京の片隅で、盲目の語り部・琴乃は、声だけを頼りに生計を立てていた。彼女の語りには、言葉にできぬ想いを宿し、見えない光を人々の心に灯す不思議な力があった。あ…

明治天皇の崩御。そして時代は大正へ。 明治元年生まれの役人が、自身と共に時を重ねた「明治」という時代を回顧する。 「明治元年生まれの男が、明治45年に大正へと改元された時代の節…

明治四十一年、帝都東京。 日露戦争後の不安が渦巻く中、総理大臣・桂太郎の命を狙う刺客が現れる。 その刃を一瞬で断ち切ったのは、緋色の袴をまといし十五歳の少女 「この身は、陛下より…

伊藤　明継と紅隆の恋心を通して、初恋の儚さを描いた物語。 　天都《てんと》と云う都会で、同居をしている伊藤　明継《いとう あきつぐ》と紅《こう》。 　二人とも男性であり、明継・…

　明治十年、西南戦争終結直後の混乱の中、一人の英国人女性が横浜港に降り立った。植物学者エミリー・ウィンターフィールド――彼女の目的は、会津地方で消息を絶った恋人ジェームズ・アシ…

毎朝の楽しみは貴方に会うこと。

　本作は、かの有名な推理小説『シャーロック・ホームズ』シリーズを本来の歴史とは異なるスチームパンクな明治時代を舞台に置き換えた「推理モドキ小説」です。 　何故、モドキなのかという…

鬼と巫女の血を引く少女・花純は、南条家で肩身の狭い日々を送っていた。四年前、双子の弟・楓が失踪。 手がかりのないまま、ある日突然、花純の前に楓の娘と名乗る子が現れた。 愛情を注…

1905年9月、東京・日比谷。 ポーツマス条約の結果に失望した人々が公園に集まり、怒りの声が夜空を揺らした。 主人公・北條新仁は、ポーツマスでの交渉を身をもって体験したからこそ「…

1909年、ハルビン駅。 列車の到着を待つ人々のざわめきの中、主人公・北條新仁は、不思議な懐中時計に導かれ、歴史の大事件の只中に立っていた。 ――そこでは、近代日本を築いた伊藤博…

時代が明治へと移り変わり、今とは違う道を歩み始めた日本――。 妖が見えるせいで器量なしと言われてきた千枝子は、ある日、妖に襲われていた隻眼の青年・至恩を助ける。 至恩は代々帝都…

雪嵐の中、城山での死闘を生き延びた僕は、光る懐中時計に導かれ、気がつけば明治の東京にいた。 そこでは、欧米列強との不平等条約改正を巡り、政府要人たちが静かに、しかし激しく火花を散…

雪原から炎の戦場へ——。 明治の世に飛ばされた僕は、懐中時計の導きで鹿児島の城山に辿り着いた。 そこは、西郷隆盛と薩摩士族たちが政府軍と最後の戦いを繰り広げる、激動の西南戦争の真…

高層ビルからの転落で命を落とすはずだった青年は、雪降る北海道の明治十四年に目を覚ます。 彼を助けた和子が語るのは、兄・誠一が役所を突然解雇されたという話。その背後に潜むのは、官有…

時は明治20年代後半、東京・本郷。西洋文化への憧れと江戸の風情が入り混じるこの街に、ひときわ風変わりな「開化長屋」があった。 長屋に住む落合雁之助は、帝国大学を中退し、ドストエフ…

交通事故で一流の料理人の鳴海は明治時代へタイムスリップしてしまう。 そんな鳴海はひょんなことから命を狙われた外交職員の小野田と村雨を助けることになる。 最初はここが明治時代と信じ…

彼は少しずつ狂っていった。 また小説に行き詰まり、嗜好品であった嗅ぎタバコを含ませる。 徐々に幻を見るようになる。その男の結末とは───

１８９４年。明治２７年の夏。 東北地方のとある地方にある農村。 そこの地主の娘である私、佐々岡《ささおか》うたは来月１７歳になる。 特に大好きな叔父様からの「おめでとう」と言…