「円城塔賞 バッドエンド」を含む小説

時は平安中期。内裏で働く貴族・藤原刑之助（ふじわらの けいのすけ）は、 絶望の淵にいた。 上司である帝（みかど）から、とんでもない無茶ぶりをされたからだ。 「巷で流行っている『…

国を滅ぼした大罪人レヴィアが残したという「焼かずの塔」。 天才魔導士アルベラとその一行が挑む探索で、彼らは「再生の花」と出会う。 それは祝福か、それとも──

　真白透夜@山羊座文学さんの近況ノート正直企画用に書きました。 　この国の人々は、異端の女を火に焚（く）べることを好む。 　祭りの後、処刑台の灰の中には、必ず黒くて硬い塊が残さ…

「いいかケンジ。これは『お年玉』ではない。我々の生活費を懸けた防衛戦争だ」 １月１日、午前１０時。 実家のコタツに集まったのは、昨年末の競馬で散り、財布の中身が壊滅した二人の男…

　将来を考えるとどうしても、もう誰かが進んだ道をなぞるように歩かなければならない。 　それは嫌だと思ってしまう風谷秀峰は高校三年生になり、『未知の道しるべ』の噂を誰かから聞いてし…

【警告】残酷な描写あり。救いのないバッドエンドです。 カクヨムコン11短編小説部門応募作。 遠野冬花は、息をのむほどの絶対的な美貌と、愛されることの優越感に飢えていた。彼女は闇…

2984年。人類は高度AIシステムConSulによる管理下にあった。清掃員の小野田ショーンは、ある日ConSulから新しいアパートへの転居を命じられる。しかし、その部屋の壁は空色…

大好きな人とずっと一緒にいたい。 それは、誰もが一度は考えた事がある夢である。 『明晰夢』自分でコントロールが出来る夢。 理想の夢を見た時にコントロールできるならどれだけ良…

鬱展開注意

「最近の異常気象。各々調査を進めてくれたことと思う。分かったことを報告してくれたまえ」 　私はテーブルをぐるりと見回して、調査チームの面々に告げた。ああどうしてこんなことに。こ…

「お疲れ」 「え？」 　ジュースを差し出すと、一瞬キョトンとした顔をしてから、パッと目を輝かせた。 「やさしいじゃん！　ありがとな！」 　バイトをすることも彼が選んだことだから、…

ニュースです。S県N市で近頃、人が急に遅くなり、最終的に動かなくなるという通称フリーズバグが発生しております。 国のバグ対策本部では原因究明に当たっていますが、今のところ解決につ…

幽霊になった僕は退屈な生活を送っていた。 つまらない映画や芝居を観たり、意味もなく空に漂ってみたり。 誰ともコミュニケーションの取れない生活は甘い霞を吸っているようで、どうし…

偉大な将軍が戦死した。 将軍と親しかった近衛隊長、宰相、大司教は、それぞれに将軍への思いをはせる。 不穏なうわさが流れる中、しだいに歯車が狂っていく。

男が近所の本屋に数年ぶりに行くと、閉店の張り紙がしてあった。彼も普段はネット通販を利用している。町の小さな本屋なんて廃れる運命なのだ。 今日、買いたいマンガがあったのにとがっか…

交通事故で死んでしまった彼女。 彼女を救うために、記憶と引き換えに過去へと戻してくれるという悪魔の囁きに俺は何度も彼女が死ぬあの日へと戻っていく。 何度死んでも、何度助けられなく…